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そんな本作は、インデペンデント映画や若手監督の登竜門と言われるサンダンス映画祭で監督賞と審査員特別賞を受賞するなど、すこぶる評判がいいのだが、ジミーとモントの関係性や、彼らに絡む人々に関する描写が曖昧なので、困惑させられるところがある。どうも本作は、ストレートではなく、ニュアンスや詩的な部分で、という変化球で勝負している節があるのだ。
だから、見終わった後で、多少もやもやした気持ちが残ることになる。というわけで、『ムーンライト』同様、好みは分かれるのではないか、という気がしたのだが、多様性を反映させたこうした描き方こそが、ハリウッド映画とは一線を画する、新たなタイプの映画の真骨頂なのかもしれないと思い直した。(田中雄二)