【映画コラム】コロナ禍の今、改めて人間同士の絆や信頼について考えさせられる『2分の1の魔法』

2020年8月23日 / 06:00

 魔法が忘れられてしまった世界を舞台に、亡くなった父親にもう一度会いたいと願う兄弟が、魔法によって半分だけ復活した父を完全によみがえらせるために奮闘する姿を描く、ディズニー・ピクサーアニメの最新作『2分の1の魔法』が公開された。

(C)2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 『トイ・ストーリー4』(19)公開時の、ジョシュ・クーリー監督の「今、ピクサーが開発中の映画は、シリーズものではなく、全てがオリジナル」という言葉通りのまっさらな新作だ。

 声の出演は、内気な弟のイアン役に『スパイダーマン』シリーズのトム・ホランド、陽気な兄のバーリー役に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『ジュラシック・ワールド』シリーズなどで知られるクリス・プラット(日本語版は志尊淳と城田優)。プラットはアニメーション映画『LEGO ムービー』シリーズの主人公エメット役で声優は経験済みでもある。

 彼らが演じたキャラクターは、一見グロテスクに見えるが、見ているうちにだんだんとなじんできて、愛着が湧いてくる。これがピクサーアニメの不思議なところだ。

 本作の原題は「ONWARD=前進」という。監督のダン・スキャンロンは「この映画は、人生の悲劇から立ち直って、前進することを描いている。『オンワード』という言葉は、アドベンチャーやジャーニーのような意味にも取れる。その点、この映画は、冒険映画であり、発見についての映画でもある。だから、このタイトルには、前進し、大人になり、成長する、というポジティブなアイデアが詰まっている」と語っている。

 また、『リメンバー・ミー』(17)同様、生者と死者との関わり、家族の絆が本作の重要なテーマとなる。特に、亡き父と子の姿は、父親の霊が現れるファンタジー映画『フィールド・オブ・ドリームス』(89)をほうふつとさせるところもある。

 そこには、スキャンロン監督自身の父親への思いも反映されているという。監督は「死について描いた映画は、同時に生についても語っていると思う。それらは、誰かの人生を祝福すること、人生にはどんな目的があるのかという疑問や、生きている間に人は人の心にどのように触れるのか、といったことを描いている」と思いを明かした。

 
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