【映画コラム】『シャイニング』の40年後の続編『ドクター・スリープ』

2019年11月26日 / 17:36

 スティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の伝説のホラー映画『シャイニング』(80)の続編『ドクター・スリープ』が11月29日から公開される。前作の40年後をマイク・フラナガン監督が描く。

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 まずは、最近では、スティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』(18)にも登場した『シャイニング』を振り返ってみよう。

 コロラド州の山の上にあるオーバールック・ホテル。小説家志望のジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)は、雪深く冬期には閉鎖されるこのホテルの管理人として、妻のウェンディ(シェリー・デュバル)と息子のダニーと共に住み込むことになる。ところがホテルが持つ“怪異”によって、ジャックは徐々に精神をむしばまれ、妻と息子を殺そうとするが…という話。

 ニコルソンの鬼気迫る怪演に、落ち着かないカメラワークと不気味な音楽とが相まって、見る者を恐怖に陥れる効果は抜群で、キューブリックの名声をさらに高めた。

 そして、本作では、惨劇から生き残ったダニー(ユアン・マクレガー)は、父親から殺されかけたトラウマと、繰り返し見る悪夢を抱えながら、孤独な日々を送っていた。そんな彼の前に、特別な力(シャイニング)を持つ少女が現れる。謎の事件に巻き込まれたダニーは、少女と共に惨劇の場となった“あのホテル”にたどり着くが…となる。

 そんな本作は、長い年月を経て、前作が残した謎を解く、という意味では、キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(68)からピーター・ハイアムズ監督の『2010年』(84)、あるいはリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(82)からドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ブレードランナー2049』と同じように、中途半端感が残るのは否めないが、決して不出来ではない。

 
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