【映画コラム】見ながら幸せな気分になってくる『パディントン』

2016年1月16日 / 18:05
(C) 2014 STUDIOCANAL S.A. TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S Paddington Bear TM, Paddington TM AND PB TM are trademarks of Paddington and Company Limited

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 日本にもファンが多い、英作家マイケル・ボンドの児童文学『くまのパディントン』を実写映画化した『パディントン』が公開された。

 人間の言葉を話す野性のクマが、ペルーのジャングルからロンドンへとやって来た。パディトン駅でブラウン一家と出会ったクマは、駅と同じ名前を付けられ、一家と共に暮らすことになるが、カルチャーギャップから次々と騒動を巻き起こすことになる。

 イギリス映画には、『メリー・ポピンズ』(64)など、ある家庭に異人が入り込んで、家族それぞれの生き方に影響を与えていくという話が多いが、本作もそうした伝統を踏襲している。

 そして、下品な中年おやじテディベアの『テッド』とは違い、パディントンは愛くるしい外見通りの礼儀正しい紳士なので、家族で安心して楽しめる映画になっている。しかも、ファンタジー、コメディー、スリル、家族愛などの配分がとても良いから見ながら幸せな気分になってくる。

 また、パディントンの声を『007』シリーズのQ役でおなじみのベン・ウィショーが演じているほか、パパ役にテレビシリーズ「ダウントン・アビー」のヒュー・ボネヴィル、ママ役に『ブルージャスミン』(13)でアカデミー助演賞の候補となったサリー・ホーキンス、家政婦に大ベテランのジュリー・ウォルターズと、キャスティングにも手を抜いていないのが大きなポイント。

 しかも、パディントンを狙う悪女をニコール・キッドマンが演じ、元夫のトム・クルーズが『ミッション:インポッシブル』シリーズで演じるイーサン・ハントのパロディーを披露するサービスまである。舞台となるロンドンの街並みも見どころだ。(田中雄二)


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