エンターテインメント・ウェブマガジン
とはいえ、白人偏重で「白すぎるオスカー」との批判を浴びた第88回(2016年開催)以降、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは、海外の映画人を多数、会員に加えてきた。その数は6,000人程度と言われた当時から、昨年時点で1万人近くまで増えており、その中には北野武、是枝裕和、三池崇史といった日本人も含まれている。アカデミー賞は審査員の審査ではなく、会員の投票によって賞が決まるため、その増加を受けて『パラサイト』が新たな歴史を切り開く可能性もある。また、『パラサイト』は国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)、脚本賞などの部門でも有力で、その行方にも注目したい。
なお、今年のノミネート作品は、日本でも現在公開中、もしくは配信やDVDなどで見られるものが多い。(『1917』は2月14日、作品賞など6部門ノミネートの『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は3月27日公開)。この週末にノミネート作品をチェックし、年に一度のお祭りを楽しんでみてはいかがだろうか。(井上健一)