【芸能コラム】テレビ東京「ドラマBiz」はエンターテインメントの可能性を広げるか? 「ラストチャンス 再生請負人」

2018年7月28日 / 14:40

 テレビ東京系で放送中の「ラストチャンス 再生請負人」が面白い。元銀行員の作家、江上剛の同名小説を原作に、元銀行員の主人公がビジネスの現場で奮闘する姿を描いたドラマだ。

「ラストチャンス 再生請負人」

 大手都市銀行の銀行員として順調な人生を歩んできた樫村徹夫は、突然の財閥系銀行との合併という事態に直面する。これをきっかけに、人生は急展開。関連会社への出向を機に退職、紆余(うよ)曲折を経て、飲食フランチャイズ企業のCFO(最高財務責任者)に就任する。

 こうして、経営状態の思わしくない会社の再建に取り組むことになるが、予想外の事態が次々と樫村の前に立ちふさがる…。

 本作は、「ドラマBiz」の第2弾に当たる。「ドラマBiz」とは、「“働く”をテーマとし、働くすべての人へ向けた上質で本格的なビジネスヒューマンドラマ」(「ラストチャンス 再生請負人」公式サイトより)との主旨で、テレビ東京が今年4月から月曜午後10時にスタートした連続ドラマ枠。

 6月まで放送された第1弾は、転職を斡旋するヘッドハンターを主人公にした「ヘッドハンター」で、「ガイアの夜明け」など、ビジネス関連の番組に強いテレビ東京ならではと言える。

 若者やファミリー層を中心にした作品が多い民放テレビドラマの中で、ビジネスの世界を題材にしたその硬派な作りは新鮮に映る。テレビドラマとして描くことで、一見難しそうなビジネスの問題をエンターテインメントとして楽しめるのも魅力だ。

 7月23日放送の第2話では、樫村が食品フランチャイズ業界の表と裏を学んでいく姿をスリリングに描き、その問題点を分かりやすく伝えることに成功していた。

 もう一つ、このドラマの特徴と言えるのが主演俳優だ。主人公・樫村徹夫を演じるのは仲村トオル。「ヘッドハンター」の江口洋介から2作続けて、50代の俳優を主演に起用している。

 昨今の民放テレビドラマでは20~30代の俳優が主演することが多く、水谷豊の「相棒」に代表される刑事ドラマなど、一部を除けば50代以上の俳優が主演する機会は少ない。事実、江口、仲村とも、近年は助演での活躍が中心だった。

 そんな状況下で登場した「ドラマBiz」は、彼らに新たな活躍の場を与えることとなった。ドラマを見れば、その起用がピタリとはまっていることは一目瞭然。若い俳優だけでなく、より幅広い世代の俳優に活躍の場が与えられることは、日本のエンターテインメントの活性化にもつながるはずだ。

 
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