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一方、テレビドラマで存在感を発揮したのが南野陽子だ。NHKの大河ドラマ「西郷どん」(日曜午後8時ほか放送中)に、篤姫(北川景子)の教育係・幾島役で出演。威厳と貫禄あるたたずまいに、コミカルなテイストを交えた演技で強い印象を残した。かつてのアイドル時代を知る視聴者は、彼女がこんなに味のある女優になるとは、想像もしなかったに違いない。
ところで、先日、NHKで放送された「SWITCHインタビュー 達人たち」に出演した蒼井優が、山田洋次監督との対談で「若さだけでは芝居ができなくなる時期が来る」と語っていた。前述の3人も、そういった壁をいくつも乗り越えてきたに違いない。
実際、南野は当サイトのインタビューで、「初の時代劇だった『武田信玄』(88)のときは、浴衣すら着ることができなかったが、その後、経験を積む中でさまざまなことを学び、今回の演技につながった」という主旨の発言をしている。長いキャリアに裏打ちされた彼女たちの芝居には、若い頃とは違った魅力がある。
他にも斉藤由貴、若村麻由美、富田靖子といった力のある女優がそろったバブル世代。彼女たちの活躍が、これからの日本の映画やテレビドラマをより豊かにしてくれるに違いない。(井上健一)