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この他、斉彬の父で前薩摩藩主・島津斉興役の鹿賀丈史やその側室・由羅役の小柳ルミ子の怪演とも言える芝居、吉之助の仲間である大山格之助、有村俊斎を演じる北村有起哉と高橋光臣のアドリブを交えた生き生きとした演技など、隅々まで充実した配役は、さすが大河ドラマだと言えるだろう。
物語的には今後、奄美への島流しを経て明治維新へと向かっていく吉之助の姿が描かれるはずだ。今のところは受け身の吉之助が、いかに自ら行動を起こすように変化していくのか。その成長と共に、続々と登場する出演者たちの顔ぶれも楽しみだ。
現在発表されているところでは、愛加那役の二階堂ふみ、小松帯刀役の町田啓太、勝海舟役の遠藤憲一、桂小五郎役の玉山鉄二、岩倉具視役の笑福亭鶴瓶といった面々がそろっている。彼らが吉之助とどう関わり、どんな芝居を見せてくれるのか。また、現在は薩摩にいる大久保正助の動きも、鈴木に劣らぬ瑛太の熱演とともに気になるところ。今後も俳優陣の見応えある演技を楽しみに、物語の行方を見守っていきたい。(井上健一)