【芸能コラム】今からでも大丈夫!「おんな城主 直虎」を楽しむ三つのポイント

2017年6月9日 / 17:55
井伊直虎を演じる柴咲コウ

井伊直虎を演じる柴咲コウ

 中盤を迎え、ますます盛り上がる「おんな城主 直虎」。新たな登場人物も加わり、後半に向けてさらに期待が高まってきた。そこでここでは、これまでの物語を振り返り、今後の注目ポイントを整理してみたい。

 注目したいのは、大きく分けて次の3点だ。
1.地域振興の行方 2.戦国時代の大局の動き 3.新たな登場人物の活躍

 まず1点目。このドラマを見る上で気をつけたいのは、従来の戦国物のような天下取りや立身出世の物語ではないということ。描かれているのは、戦乱が続く困難な時代、領地や領民を守り、皆が豊かに暮らすことを目指した小領主の姿だ。

 第12回で領主・直虎(柴咲コウ)が誕生して以降、借金まみれだった領地・井伊谷では、百姓たちによる綿花の栽培が始まり、綿布も完成。商売に乗せようというところまできた。さらにここ数回は、豊かな山林の資源を使って、材木の商いを始めようとしている。産業ばかりでなく、百姓たちに読み書きを教えるなど、教育に力を入れる一面も描写。第15回、直虎が主家・今川家に井伊家相続を認めさせる場面で、文字を習ったばかりの百姓たちが必死につづった署名を披露する一幕は、胸に迫るものがあった。

 その一方、種子島(鉄砲)の製造に挑戦しながらも、今川家に取り上げられるという失敗も経験。そういった官民一体となった地域振興、すなわち“町おこし”の試行錯誤をドラマチックに描いている点が、従来の戦国ものとは一線を画した本作の大きな魅力。今後もその行方が気になるところである。

 続いて2点目。前述の1点目にも関わることだが、これまで今川家の圧力を受けながらも、ある意味、直虎は安定的に領地経営を行なってきた。だが、今川家は先代の義元(春風亭昇太)亡き後、家臣・松平元康(後の徳川家康/阿部サダヲ)の離反や同盟関係にあった武田家との亀裂など、危機を迎えている。世の大局が徐々に動き始め、井伊家にさらなる困難の訪れが予想される。果たして直虎は今後、井伊谷を守り抜けるのか?

 そして3点目。物語の進展と共に新たな登場人物が続々と加わったが、中でも注目の存在が、ひょんなことから直虎と知り合った盗賊団の頭、龍雲丸(柳楽優弥)。その奇抜な振る舞いや発想は、今まで武家や百姓としか付き合ってこなかった直虎にとって新鮮なものだった。過去は謎に包まれており、「武家なんて、何代も続いた由緒正しい大泥棒じゃねえか」と直虎を批判する一方、武家の生まれらしい様子もうかがえる。今後、物語に大きく関わってくるであろう龍雲丸の活躍は要チェックだ。

 また、直虎のいいなずけだった亡き直親(三浦春馬)の娘として現れた高瀬(高橋ひかる)の存在も気になるところ。武田が送り込んだ間者ではないかとの疑いもあったが、果たして…?

 さらに、市川海老蔵が演じる織田信長、演者未公表ながら当サイトのインタビューで浅丘ルリ子が語っている武田信玄も今後、登場予定。続々と戦国大名たちが姿を見せ、いよいよ戦国ものらしいダイナミックな展開が見られるに違いない。

 戦国の文化・風俗を巧みに織り込んだ見事な脚本と充実した俳優陣の熱演で毎回、見応えあるドラマを繰り広げる「おんな城主 直虎」。今まで未見の人も日曜午後8時、テレビの前に座って、これまでにない戦国の物語を楽しんでみてはいかがだろうか。(井上健一)


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