【映画コラム】 『コドモ警察』で思い出した『ダウンタウン物語』

2013年3月9日 / 19:11

(C)2013 映画『コドモ警察』製作委員会

 神奈川県大黒署の特殊捜査班のエリート刑事たちが、悪の組織レッドヴィーナスのわなに掛かって特殊ガスを吸わされ、なんと全員が子どもになってしまった…。登場人物のほとんどが子どもだが、実は彼らは元・大人だったという奇抜な設定が話題を呼んだテレビドラマ「コドモ警察」が映画化され、20日から全国公開される。

 本作では、鈴木福、本田望結、マリウス葉といった人気子役が、刑事役を演じているのだが、それぞれが、デカ長、ナベさん、イノさん、スマート、エナメル、ブルなどのニックネームで呼ばれている…。と、ここでピンときた人も多いはず。そう、この映画は往年の人気刑事ドラマ「太陽にほえろ!」や「西部警察」のパロディーの要素が非常に濃いのだ。

 他にも「太陽にほえろ!」で“殿下”を演じた小野寺昭が上官役で出演し、ボス役の石原裕次郎の物まねで知られるゆうたろうも声の出演をするなど、楽屋落ち的な楽しみがたっぷり用意されている。もちろん昔のドラマを知らない人も、ハードなストーリーと演じる子役たちとのギャップが生み出す楽しさやスタッフの遊び心を存分に味わうことができるだろう。

 ところで、子どもが大人の役を演じるということで思い出した映画がある。ギャング映画のパロディーとして、禁酒法時代のニューヨークのダウンタウンを舞台に、二つのギャング団の抗争を描いたミュージカル映画『ダウンタウン物語』(76)だ。この映画の出演者は平均年齢12歳の子役のみ。1930年代のしゃれたスーツに身を包んだ彼らが、パイが飛び出すマシンガンを乱射する。当時14歳のジョディ・フォスターがセクシーなヒロインを演じたのも話題となった。

 この映画のプロデューサーはデビッド・パットナム、監督はこれがデビュー作のアラン・パーカー。この2人は、11歳の男の子と女の子の恋をみずみずしいタッチで描いた『小さな恋のメロディ』(71)の製作、脚本も手掛けている。つまり『ダウンタウン物語』は、子どもの心や遊び心を描くことが得意な2人が生み出した映画だったのだ。

 現在『ダウンタウン物語』はDVDで見ることができる。『コドモ警察』を楽しんだ後で、ぜひ見比べてみてほしい。(田中雄二)


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