「どうする家康」第15回「姉川でどうする!」家康の決断を描いた鮮やかな会話劇【大河ドラマコラム】

2023年4月29日 / 09:20

 NHKで放送中の大河ドラマ「どうする家康」。4月23日に放送された第15回「姉川でどうする!」では、主人公・徳川家康(松本潤)が織田信長(岡田准一)と共に浅井長政・朝倉義景の連合軍と戦う「姉川の戦い」が描かれた。

「どうする家康」第15回から (C)NHK

 両軍が川を挟んで対峙(たいじ)する中、敵対する浅井長政(大貫勇輔)から、「信長に義はない。共に信長を討ち取ろう」という密書を受け取った家康は、このまま信長と共に戦うか、裏切って浅井・朝倉に味方するかの決断を迫られる。このときの家臣団とのやり取りが、この回の白眉だった。

 一度は「わしは浅井長政につく。織田信長を討つ。今なら討てる!」と力強く宣言した家康。だが、「これは、われらと織田勢を引き裂かんとする浅井の策略。乗ってはいけませぬ」「その通り、われらが織田勢に矛先を向け、朝倉に背を向けた途端、後ろから撃たれる」という酒井忠次(大森南朋)や榊原康政(杉野遥亮)の進言を受け、ちゅうちょする。

 浅井に味方することを勧める本多忠勝(山田裕貴)、どちらか決めかねる鳥居元忠(音尾琢真)など、意見が割れる中、浅井・朝倉の進軍が始まり、織田陣からは攻撃開始の合図であるほら貝が響く。

 ここで「わしは、浅井につきたい!」と再び告げる家康。だがその理由を尋ねられると「浅井殿が好きだからじゃ。あの方は立派なお方じゃ。人をわなにはめたりはせぬ!」と個人的な感情が先走ることに。

 当然、それでは誰も納得せず、結論を出せずにいると、今度は織田から催促の銃撃が。やがて、沈黙していた石川数正(松重豊)が「今なら信長を倒せます。しかし、倒した後、どうするのか。信長亡き後、将軍は、天下はどうなるのか?」と口を開く。

 それを受けた忠次が「おそらく、あの桶狭間の後のぐっちゃぐっちゃに逆戻りじゃな」と続くと、最後は数正の「殿、あのぐっちゃぐっちゃをもう一度、やりますか。もう一度やって生き延びられるとお思いでござるか?」という言葉が決定打となり、家康は信長と共に浅井・朝倉軍と戦うことを決断する。

 
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