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だからといって、ここまでを見ていると、時政と共謀して実朝を鎌倉殿の座から引きずり降ろそうとしたりくのように、シビアな展開は想像しにくい。
だが、同時に、さまざまな出来事を傍観してきた皮肉屋の実衣が、実朝の乳母になってから変貌したように、権力欲に取りつかれていく可能性もないわけではない。
果たしてのえは今後、どんな活躍を見せてくれるのだろうか。なお菊池は、出演発表の際のコメントで、次のように語っている。
「私の中での、のえさんは、女性であることをある種楽しんでいる、素直な女性だと思います。真意を隠しているよりも、これくらいが小気味いい! 気持ちがいい! そんな印象です。それが今後どう化けるのか? はたまた特に化けずにこのままわが道を行くのか? とても楽しみでしかたがありません」
わが道を行くのえを見慣れてきた今読み返してみると、この言葉の意味がよく分かる気がする。そんな彼女が物語の最終盤をどう盛り上げてくれるのか、注目だ。
(井上健一)