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気まずい関係が続く中、身の回りの世話をしている実朝の様子について、泰時は「このところ、鎌倉殿の顔色が優れません」と義時に伝える。
勉学で多忙なせいか、結婚の問題で悩んでいるのか、その理由ははっきりしないものの、義時は「太郎、伝えてくれて、助かった」とねぎらいの言葉を掛ける。
そして後半、和田義盛(横田栄司)が実朝を御所からこっそり連れ出し、自分の館で鹿汁を振る舞おうとする現場に義時が遭遇する。
だが、義時はそれをとがめることなく、「私も、相伴にあずかってもよろしいかな」と、共に鍋を囲み、実朝に気分転換の機会を与える。
つまり、泰時の報告がこの義時の行動につながったわけで、見事な親子の連係プレーと言える。
複雑な感情を抱えながらも、共に鎌倉幕府を支える義時と泰時は、最終的に2代執権、3代執権となり、権力を受け継いでいくことになる。この親子の関係が、これからどのように物語を動かしていくのか。その行方にも注目していきたい。
(井上健一)