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その「誠実さ」が今後、ドラマをどう動かしていくのかが気になるところ。「誠実さ」は人を引き付ける力になるが、それ故、自分自身が苦しむこともあるはずだ。
また、頼朝を見限ろうとして義時にとがめられた時政が「北条のためじゃ。われらが生き延びる手立てが他にあれば、言うてみい」と反論したように、誰もが自分のことしか考えられないのは、それだけ厳しい時代だったことの証しだともいえる。
ましてや、今は戦の真っ最中。他人のことをかまっている余裕などなくて当然だ。そんな中で義時が誠実でいられるのは、北条家を率いる時政や源氏の棟梁である頼朝のように、トップとしてギリギリの決断を迫られていないから、という見方もできる。
では、もし今後、厳しい決断を迫られる局面が訪れたとき、義時はどこまで「誠実さ」を貫くことができるのか。それとも、そんな「誠実さ」は成長とともに失われ、ちゅうちょなく非情な決断を下す人物へと変わっていくのか。
個人的には、乱世だからこそ義時には「誠実さ」を貫いてほしいところだが、そんな点にも注目しつつ、今後の展開を見守っていきたい。
(井上健一)