【独占ニュース】『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』アンドラ・デイ「ビリーの魂を感じ、彼女のDNAに従うように過ごしてみた」

2022年2月13日 / 07:15

 不世出の天才シンガー、ビリー・ホリデイとアメリカ合衆国との知られざる対決とその真実を明かした『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』が公開中だ。

リー・ダニエルズ監督(左)とアンドラ・デイ (C)2021 BILLIE HOLIDAY FILMS, LLC.

 この映画では、歌手のアンドラ・デイがビリーを演じている。本格的な演技初挑戦となったアンドラは、「彼女(ビリー・ホリデイ)は私の最大のインスピレーションの源だから、彼女が遺した功績に汚点を残すようなことは絶対にしたくなかった」と、当初はビリーを演じることに迷いがあったことを明かした。

 一方、『プレシャス』(09)『大統領の執事の涙』(13)で知られるリー・ダニエルズ監督も、アンドラと出会う前は、演技の経験のない彼女にビリー役は無理だと考えていたが、「初めて対面したとき、彼女しかいないと直感的に思った」という。

 そして、アンドラは、ダニエルズ監督の「ビリーの物語を忠実に伝え、彼女を美しく人間らしく描きたい」というビジョンに深く共鳴し、出演を決意した。

 ダニエルズ監督は、アンドラを、演技コーチであり友人でもあるタシャ・スミスのもとに送り、1年の準備期間を設けた。

 アンドラは「ビリーに関するあらゆる本、あらゆる記事を読み、例えば、香水は、始めの頃は『エメロード』と『ナイト・イン・パリ』で、後期になると『ティグレス・アンド・ツイード』を愛していたとか、ジュエリー、コート、眼鏡も調べ上げ、彼女のように髪を結ったり、切ったり…。体重も18キロ減量した」と告白する。

 そして、「ビリーの声質になるように、普段はやらない、たばこやお酒をたしなみ、荒っぽい言葉も使ったりして、調べ上げた全てのディテールを通して、ビリーの魂を感じ、彼女のDNAに従うように過ごしてみた。そして、それは、とても楽しい経験の連続だった」と語る。

 その結果、ダニエルズ監督は、撮影に入る前に、「彼女は演じているのではなく、ビリーそのものだった」と、アンドラの変貌ぶりに驚いたという。

 アンドラは「撮影中はいつでもビリーと対話している気になれた。でも全てが終わり、ビリーと別れるとき、大きなものを失ったと感じてしまって…。周りの人々が心配するほど、かなり引きずってしまった」と、まさにビリーが乗り移ったかのようだったことを明かした。

 アンドラは、第78回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(ドラマ部門)を受賞し、第93回アカデミー賞の主演女優賞にもノミネートされ、その努力は見事に結実した。

(構成/田中雄二)

リー・ダニエルズ監督(左)とアンドラ・デイ (C)2021 BILLIE HOLIDAY FILMS, LLC.


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