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10月には、『護られなかった者たちへ』が公開された。本作は、東日本大震災から10年目の仙台を舞台に、不可解な殺人事件の真相と、その裏に隠された切ない真実を描き出すミステリー。殺人事件の容疑者を佐藤健、彼を追う刑事を阿部寛が演じた。
阿部と約11年ぶりに共演した佐藤は「大変光栄でした。少しでも成長した姿を阿部さんにお見せしたいなという気持ちで気合が入っていました」と告白。
それを聞いた阿部は「十分に成長していたよ」と応えつつ、「佐藤さんは現場に行ったときも、本当にその役のままでずっといられるんです。その姿を見て、僕も背筋が伸びる思いがしたし、非常に立派になられたなと思いました」と目を細めた。
また、佐藤は、阿部と念願のLINE交換を果たしたことを告白。「僕が『佐藤です。よろしくお願いします』と初めに送ったら、阿部さんから返ってきた『お願いします』のシンプルな一言に、最後“ぴえん”の顔が付いていました」と紹介。「阿部さん、“ぴえん”を使われるんですね」と阿部のおちゃめな一面を明かした。
同じく10月公開の『そして、バトンは渡された』では、主演の永野芽郁を共演の市村正親が絶賛した。
市村は「再来年で僕も役者50周年で、いろいろな女優さんを見てきましたけど、こんなに自然な演技をできる女優さんは初めてです」と永野をたたえた。
そして、「何でこんなに自然に演技ができるのかなと思ったら、毎朝、おかか入りのおにぎりを食べていた。最近の取材で会ったときもおかかおにぎり。そこに秘密があるんだと…」と冗談を交えながら分析した。
それを聞いた永野は「仕事のときはおかかを食べがち」と認めつつ、「験担ぎではないのですが、4年前ぐらい前からおかかです。その前はシャケ派だったのですが」と答えて笑わせた。
今年は緊急事態宣言が解除されて以降、都内では映画の舞台あいさつなどが再開された。久々に満員の会場を目の当たりにしたときの出演者たちの熱い思いは、取材する側にもひしひしと伝わってきた。これからもそんな現場で、共演者から語られる、俳優の“新たな一面”に耳を傾けたいと思う。
(山中京子)