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当時、筆者は撮影真っただ中の横浜に話を聞く機会に恵まれたが、それまで横浜はいわゆる「胸キュンシーン」と呼ばれるものをやったことがなかったらしく、「すごくハードルが高い」と苦笑いをしながらも、「あまり照れずに(胸キュンシーンの撮影も)できる」と話していたのが記憶に残っている。
そして、ユリユリのトレードマークでもあったピンク髪に対し、「顔が地味だから、黒髪に戻すのが怖い。(今は)ピンクのおかげで際立っていてありがたい」と笑っていたのが印象深かった。そのせりふからや態度からも、謙虚で真摯(しんし)な印象を受け、好青年という言葉がぴったりだと感じた。
その後、横浜は、そうしたイメージを破るかのように、ドラマ「あなたの番です-反撃編-」(日本テレビ系)での大学生役、映画『いなくなれ、群青』での七草役と次々と記憶に残る役柄を演じている。
特に、冒頭でも紹介した、現在放送中の「私たちはどうかしている」は、横浜にとってはこれまでにない役どころだと言えよう。本心を隠した陰のある表情や、クールで冷たい物言いなど、爽やかな印象とは一線を画す演技を見せる。横浜の新たな魅力が開花するのではないかと期待も高まる。(嶋田真己)