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道三も、敵を罠に陥れるなどの策略は用いたが、それは先に仕掛けてきた相手に対する自衛のためであり、自ら率先して欺いたわけではない。道三を評した「誇り」という言葉は、そんな生きざまを知る光秀だからこそ出てきたものと言えるだろう。
主君・道三から学んだ「誇り」。この言葉を胸に、光秀はこれから激動の戦国乱世を歩んでいくに違いない。そしてそれは、やがて光秀が「本能寺の変」を引き起こす上で、重要なキーワードとなる予感がする。「誇り」という言葉が、光秀をどんな運命に導いていくのか。これから先、その意味をかみしめながら、物語の行方を見守っていきたい。(井上健一)