【芸能コラム】出演者インタビューで振り返る「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」前編 阿部サダヲ、中村勘九郎、生田斗真…アスリートに扮した俳優たちの熱演

2019年12月30日 / 13:00

 また、女子スポーツの発展も、本作の重要なテーマの一つだった。初の女性オリンピック選手・人見絹枝の活躍を描いた第26回「明日なき暴走」は、「神回」と評判を呼んだ。人見を演じた菅原小春は演技初挑戦だったが、本人の写真を見て「ただ走るのが早いだけの人とは違う、魂を燃やして生きてきた人ならではのすごみが伝わってきた」と刺激を受けたことを語っている。

 その上で、「残っている人見さんの映像を見て、そこから自分が得たインスピレーションで演じたいと思いました」という本業のダンスで培った身体能力を生かした魂の演技は、多くの視聴者の心を動かした。

 そして、全く泳げなかったところから水泳のトレーニングを積み、1932年のロサンゼルスオリンピック金メダリスト・鶴田義行を見事に演じ切ったのが、大東駿介。「用意された分だけでなく、その3倍ぐらいは練習しました」という努力に裏打ちされた熱演は、ドラマを超え、1人の人間として胸打たれるものがあった。

 このほか、女子スポーツの先駆者となったシマ役の杉咲花、金栗の教え子の女学生・村田富江をはつらつと演じた黒島結菜、日本初の女性金メダリストとなった水泳の前畑秀子を演じた上白石萌歌、戦争に翻弄(ほんろう)された小松勝役の仲野太賀など、体を張ってアスリートに扮(ふん)した俳優たちの熱演は、物語の魅力を一段階も二段階も高めていたと言えるだろう。(井上健一)

人見絹枝役の菅原小春

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