【軍師官兵衛インタビュー】二階堂ふみ 「いままでのイメージを崩し、新しくて面白い茶々にしたい」 秀吉の愛を受け入れ、世継ぎを産む茶々(淀)役

2014年9月26日 / 18:44

 NHKで放送中の大河ドラマ「軍師官兵衛」で、豊臣秀吉(竹中直人)に愛された茶々を演じている二階堂ふみ。秀吉によって、父の浅井長政、母の市と義父の柴田勝家が自害に追い込まれた過去から秀吉の求愛を拒んでいたが、一転して受け入れるや“第二の正室”と呼ばれるほどの地位に上り詰め、世継ぎを産むことで権勢を振るうようになる。

 出演作品が海外からも注目されるなど今最も話題を集める若手女優の一人となった二階堂が、戦国の世に運命を翻弄(ほんろう)された茶々の激烈な生きざまを語った。

 

茶々(淀)役の二階堂ふみ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-茶々をどう演じていこうと思っていますか。

 いままでのイメージに固定されずに崩していきたいです。茶々は時代を乱した女性と見られがちですが、彼女がいかに魅力的であるかという点が見る方への説得力につながると思うので、茶々のいろんな面に秀吉が魅了されていくという形が一番いいと思います。新しくて面白い茶々にしたいです。少女から女性になり、秀吉に気に入られ、子どもを産んで母になる。いろんな顔が表現できるキャラクターだと思います。

 -竹中さんはどのようにして茶々を迎え入れてくれましたか。

  二人の濃密なシーンを撮影した後、モニター画面を見て「ああ、淀だねえ」とおっしゃったんです。大先輩で年も離れていますが、それは感じさせず、包み込んでくださる方です。

-親の敵である秀吉の愛を受け入れるまでに、茶々の心にどんな動きがあったと思いますか。

  茶々は“生きる”という選択をして秀吉の愛を受け入れたのだと思いますが、女性としての強い気持ちも持った上で豊臣家に入ったのだと思います。ただ親の敵に嫁ぐなんて現代の自分には理解し難いので、毎回現場では、視聴者がスッと入っていけるような説得力のある心情を保てるかどうかを自分の課題にしています。茶々は二度の落城を経験して自分は一度死んだという思いがあり、生きる選択をしたことで自分を殺したのだと思います。

-淀殿となった茶々と、秀吉の正室であるおね(黒木瞳)との関係についてはどう思いますか。

  おねが淀殿に抱いた気持ちは嫉妬だと思います。側室制度があった時代の女性であっても、嫌だったのでしょう。政治的背景からではなくシンプルに考えて良いと思います。おねは秀吉に愛されたかったのではないでしょうか。

-淀殿の生涯をどう思いますか。

  自分の愛に忠実で真っすぐに生きた彼女には女性として共感できるところもあります。ドラマをご覧になる女性の方も共感できるところがあるのではないでしょうか。私はなるべく平和に過ごしたいので、こういう生涯を送りたいとは思いませんが…(笑)。

-2年ぶりの大河ドラマはいかがですか。

  前は結構ガチガチでしたけど、今回はすんなり空気に慣れて、自分の心地良い空間を見つけられました。茶々はとてもやりたかったキャラクターだったので、自分から出させてくださいとお願いをしたんです。

-なぜ茶々を演じたかったのですか。

  父に「歴史上の人物で誰を演じてほしい?」と聞いたら「茶々だ」と。どんな女性かと聞くと「悪女だ」と(笑)。お父さん孝行をしたかったことと、彼女の真っすぐさに引かれたので、ぜひ演じたかった。男性を支えつつも真っすぐに生きた茶々はすごくすてきです。

-演じてみて茶々のイメージが変わった点はありますか。

  こんなにも遊びがいのあるキャラクターなのかと思いました。いろんな面を出しても許されるキャラクターです。美しく、品良くというだけでなく、「嫌だ」「好き」「嫌い」みたいな現代の女性の感じに近いところが、自分では想像していなかった面です。

-岡田准一さんの官兵衛はいかがですか。

 カリスマ性があり、スタッフやキャストの方々についていきたいと思わせる人です。

-「軍師官兵衛」の視聴者に、こういう面白い点に気付いてほしいという面はありますか?

  男の時代に女性が陰で力強く生きていたさまであったり、忠誠心であったり、真っすぐな気持ちであったり、真っすぐな気持ちというのは日本人の魅力の一つ。そういう点を注目して見ていただけたらうれしい。年齢を問わずいろんな方に見ていただき、いろんなことを感じてもらいたいですね。

-秀吉の死後は大変なことになりますね。

  茶々は「母は弱い男ばかりを選んで最後は死んだ。だから私は強い男を選んだ」と思っている。でもその強い男が亡くなった時は、茶々という人間が本当に一人になった瞬間です。そこで彼女が何を選択するのか、その後どのように生きていくのか…。今はそれらをどう演じようかと考えているところです。面白い茶々像というのを残りの撮影で作っていければいいなと思います。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top