薮宏太、過去に戻れるなら「今のこの精神年齢で高校生をやり直したい」 タイムループした会社員たちを描く音楽劇「MONDAYS/このタイムループ、まだまだ終わらない!?」【インタビュー】

2025年9月24日 / 08:00

 Hey! Sɑy! JUMPの薮宏太が主演する、PARCO PRODUCE 2025 音楽劇「MONDAYS/このタイムループ、まだまだ終わらない!?」が10月5日に開幕する。本作は、小さな広告代理店のオフィスを舞台に、社員全員が同じ一週間を繰り返していく、新感覚のオフィス・タイムループ音楽劇。薮に本作の魅力や役作りについてなどを聞いた。

薮宏太【ヘアメーク:二宮紀代子/スタイリスト:寒河江 健(Emina)】 (C)エンタメOVO

-本読み稽古を終えた感想や音楽の印象を教えてください。

 会話劇がメーンの作品なので、テンポや間(ま)が大切になってくるのだろうなと思いました。「音楽劇」というと「歌う」という印象を抱く方が多いと思いますが、この作品は歌うよりも音や音楽の効果を使った演出がある「音楽劇」だと思います。音楽との間合い、そしてせりふのテンポ感が大事になるので、面白い脚本だからこそ、演者たちがしっかりと演じなければいけないと思います。

-2022年に上映された映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』を原作とした本作ですが、薮さんは映画もご覧になられているそうですね。

 話題になっている面白い映画があると友達から聞いて、配信で見ました。ワンシチュエーションの中で、小さな気付きから物語がどんどん大きくなっていくという脚本がとても面白かったです。舞台化されて自分が出演するとは思ってもいなかったですが、丁寧に作り込まれた良い作品だなと感じました。この舞台化の情報解禁があったとき、メンバーの有岡(大貴)が「『MONDAYS』の舞台をやるの? 舞台にも“味噌汁炭酸タブレット”は出てくるの?」って聞いてきたんですよ(笑)。映画はそんな知る人ぞ知るすてきな作品なので、そうした作品に自分が出演できるのがうれしいです。

-今回、薮さんはプランナー兼営業の村田という役柄を演じます。村田にはどんな印象を持っていますか。

 いわゆるブラック企業と呼ばれている会社に勤めていますが、その中でもやるべきことをやってきちんと仕事をこなす生真面目なタイプなんだろうなと思います。怠慢な人だったり、要領よくできる人ならきっとそうはならない。何でも頑張ってやってしまうからブラックになってしまうのかなと思いました。

-では、この作品の面白さはどんなところにあると感じていますか。

 映画も舞台も見ている人は、すぐにタイムループしていると気付きますが、登場する人物たちは最初、誰も気付いていない。俯瞰(ふかん)で見ているお客さまと気付かない人たちのギャップが面白さの一つだと思います。それから、タイムループしているので、毎回、必ず同じせりふを話すんですよ。台本を読んで僕も驚きましたが、本当に何度も同じ芝居をするんです(笑)。お客さまも「このシーンがきた!」と思ってもらえると思いますし、思わず口に出したくなるワードもたくさん出てくるので、それもこの作品の魅力だと思います。

-薮さんが演じる村田は映画オタクで『卒業』や『大脱走』といった映画が好きだという設定です。薮さんはその2作はご覧になりましたか。

 知ってはいますが、まだ見ていません。ただ、僕もそうしたオタク気質なところがあるので、そこは似ているなと思います。僕も同じ映画を何度も見てしまうんですよ。

-これまで一番、多く見た映画はどんな作品ですか。

 『もののけ姫』です。気が付いたら見ています(笑)。時々、金曜ロードショーで放送していたりするので、それも見ますし、Blu-rayも持っています。子どもの頃に最初に映画館で見たジブリ作品が『もののけ姫』だったんですよ。だからか、定期的に見ています。きっと僕はあまりアップデートができない人間なんだと思います。仕事上、音楽を聞く機会も多いですが、自分が好んで聞く音楽は昔からずっと同じ。新しい音楽を聞くことも少ないですね。

-薮さんはグループなど幅広く活動されていますが、その中で、舞台で演じることの面白さや難しさはどんなところに感じていますか。

 体の向きや顔の角度をほんの少し変えただけで見ているお客さんの印象が変わるのが面白いところだなと思います。ただ、せりふだけでなく、細かな動きまで覚えなくてはいけないので、そこは難しいなと思います。同時にそれは楽しいところでもあるのですが。

-なるほど。俳優としてここだけはほかの人に負けないと思うところは?

 作品に入るときにいつも思うのが、フラットでいることの大切さです。受け入れることが大事なのだと思います。僕は、同じ稽古を何回しても疲弊するタイプではないんですよ。厳しい指導をしてくださる方もたくさんいらっしゃいますが、それでハマってしまって抜け出せなくなるタイプではない。もちろん褒められたらうれしいですが、そうでなくてもフラットでいられます。座組みの雰囲気や空気は、主演の人がいかに和やかでいられるかにかかっていると思うので、極力、和やかな空気を作れるよう心がけています。そうして目の前の作品にいつも真摯(しんし)に、自分ができることはできる限り向き合おうと考えていますが、自分の芝居についてはあまり分析できていないですね(苦笑)。

 
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