ウィリアム・ユーバンク監督「基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました」『ランド・オブ・バッド』【インタビュー】

2025年8月14日 / 12:00

 ラッセル・クロウとリアム・ヘムズワースが共演し、戦場で孤立した若手軍曹と、彼を後方から支援する無人戦闘機のベテラン操縦官の闘いを活写したサバイバルアクション『ランド・オブ・バッド』が8月15日から全国公開された。米海軍全面協力のもと、入念な取材に基づいて現代の軍事作戦をリアルに描写した本作のウィリアム・ユーバンク監督に話を聞いた。

リアム・ヘムズワース(左)と打ち合わせをするウィリアム・ユーバンク監督

-まず、映画化の経緯からお願いします。

 『シグナル』(14)というちょっと変わったSF映画を作っている時に、次の作品はノーマルなものにしようと思い、アクション映画を作ろうと考えました。それで2015年ぐらいから『シグナル』の脚本家と一緒に書き始めたのですが、当時は、ちょうどドローン(無人戦闘機)を使った戦いがニュースなどでクローズアップされ始めた時期でした。それでドローンのパイロットを描いた『ドローン・オブ・ウォー』(14)という映画が作られて、パイロットのトラウマにフォーカスしていました。でも僕らは、必ずしも皆がそういうトラウマを抱えるわけではなく、しゅくしゅくと仕事をこなす兵士もたくさんいるはず。だったら、そちらの方を描こうと。作品としては、いいやつも悪いやつも出てくる、楽しく乗れるようなアクション映画にしたいと思いました。

-生死を懸けた戦場の激しい場面と、のんきにバスケのテレビ中継を見ている基地の一団との対比が面白かったのですが、これは緊張と緩和の緩急をつけることを意識した結果なのでしょうか。

 緊張と緩和も含めてコントラストはとても意識しました。ドローンのオペレーターは、自分のミッション中は閉ざされた部屋の中で集中しています。遠隔操作ではありますが、メンタル的には戦地にいる仲間の真横にいるような気持ちで一緒に戦っています。これはドローンのオペレーターの人たちと実際に話をした中で知ったことで、それを表現したいと思いました。でも、その部屋を一歩出れば、彼らにとってはブレークタイムなんです。ものすごい集中を要求される状況から解放されて、リラックスして、スポーツの試合を観戦したりします。僕が見学した基地でもそういう感じでした。だから、それを捉えたかったというのもありました。もちろん映画を見た人の中には、「あいつらは何で大事な電話にも出ないでバスケの試合を見ているんだ」と思う人も多いと思いますし、自分としてもそこら辺はちょっとハリウッド映画的な設定にしているという自覚はあります。ただ、見せたかったのは、二つの世界の対比と、強烈に集中しているミッション中とちょっとリラックスしている普段な感じの両方がぶつかっている場所なんだということでした。

-ジャングルでのサバイバルのシーンはとてもリアリティーがありましたが、これはある意味、デルタフォースとしてはルーキーである主人公キニーの成長物語という見方もできると思いますが。

 間違いなく彼の成長物語として描いているところがあります。実際のところ、デルタフォースは陸軍の特殊部隊で、そこにペアリングする空軍のJTAC(統合末端攻撃統制官)のメンバーも腕利きですが、緊急の場合は、実戦経験がなくてもとにかく1人連れてこいみたいな状況になることもあるそうです。今回はそういう設定になっているので、ルーキーのキニーがベテランの特殊部隊と一緒に行動するという話になっています。キニーは、今までクレイジーな経験をしたことがないので、これは若者の無垢(むく)な世界観の喪失の物語でもありますが、当然それを経験したことでより大人になった、新しい別の世界観を持つ人物に成長したという話でもあります。

 
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