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「劇団四季」の看板俳優として活躍し、退団後も数々のミュージカルや舞台作品に出演し、人気を博す石丸幹二。俳優としてのみならず、「題名のない音楽会」「健康カプセル!ゲンキの時間」の司会やオーケストラコンサートをはじめとした音楽活動もこなすなど、幅広く活動を続けている。そんな石丸が主演を務める音楽劇「ライムライト」が8月3日から上演される。本作は、チャールズ・チャップリンの晩年の傑作映画『ライムライト』を原作とした音楽劇。かつて一世を風びした老芸人が、人生を悲観し自殺を図った若いバレリーナを助け、再び舞台に立たせる姿を描く。主人公の老芸人・カルヴェロを演じる石丸に本作への意気込みや本作で描かれている“老い”への思いなどを聞いた。
この作品は、チャップリンの映画を初めて音楽劇として上演した作品です。今回は、映画を撮ったチャップリンの年齢に近づいてきました。彼のせりふの裏に隠された意識にいっそう近づけるにはどうしたらいいかを考えながら台本と向き合っているところです。前回とはまた違ったものをお届けしたいと思っています。
年を重ねたことで、チャップリンが伝えたかったことがより明確に見えるようになったと思います。(初演の)10年前には考え付かなかった思いや表情が、チャップリンの映像の中に残されていることが分かってきたというか。今回は、そうしたものも表現できたらと思っています。
さまざまな役を演じることは、より客観的にキャラクターに寄り添える手助けになるんですね。まったく毛色の違う役どころだからこそ、新鮮な気持ちで向き合える。それって、すごく大事なんですよ。だから前回の再演から5年間の期間が空いたことが僕にとって良かった。なぞるのではなく、もう一度生み出す。そんな作業ができるなと思います。
われわれも年を経ると人生が深まりますし、深まったからこそ気付くことも多いですよね。チャップリンもきっとこの映画を作ったときに、自分が年を重ねたことで欠落していったことに向き合ったのだと思います。そうした絶望と向き合って、どう再生していくか。映画で、チャップリンは、自分が成し得なかったことを次の世代に託します。「後世の人に託す」ことは、若い頃にはあまり考えないですよね。でも今、僕もこの年になって、「そうかもしれないな」と思う気持ちが芽生えてきました。なので、きっとこれまでと(劇中で話す)せりふのニュアンスも変わってくるのではないかなと思います。
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