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NHKで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。“日本の植物分類学の父”牧野富太郎博士をモデルに、愛する植物のため、明治から昭和へと激動の時代をいちずに突き進む主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の波瀾(はらん)万丈な生涯を描く物語だ。東京大学で植物学の研究に打ち込む万太郎を温かく見守るのが、万太郎が暮らす長屋の個性豊かな住人たち。その1人、宇佐美ゆうを演じているのは、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼家の側室・せつ役で強い印象を残した山谷花純。これまでのキャリアを振り返りつつ、三度目の朝ドラ出演となる「らんまん」への思いを語ってくれた。
ドラマそのままで、和気あいあいです。長屋の住人を演じる方は、下は5歳の子から上は私の親より年上の方まで、幅広い年齢層が集まっているんですけど、言葉を交わさなくても、みんなで同じゴールを見すえて進んでいけるすごくいい関係性だと思います。現場でも“チーム長屋”と呼ばれていますし。神木さんも、さりげなく気配りしつつ、みんなを優しく包み込んでくれるような座長で、現場にいらっしゃると、笑顔があふれて雰囲気がすごく明るくなるんです。
熱い友情と人を思う心はある長屋の雰囲気は、物語の中でいい箸休めになると思います。だから、出てきたときに「待っていたよ」と皆さんに言っていただけたら、“チーム長屋”としてはすごくうれしいです。
この10年、朝ドラのオーディションに落ち続けたことで、出演できるありがたさを身にしみて感じました。「おひさま」のときは朝ドラが何なのかも知らず、初めて朝ドラのオーディションを受けた「あまちゃん」ですぐに合格したので、出演するのがどんなに大変か分かっていなかったんです。
そうですね。だから、すごく楽しいです。「あまちゃん」のときは、「好きなお芝居ができて楽しい」というだけで、現場の進め方などは気にしていなかったんです。まだ10代だったので時間制限もあり、現場にあまり長くいられませんでしたし。今思えば、もっと成長できるチャンスだったのに、もったいないことをしたなと。それを取り戻そうとして、今回は記憶に強く焼きつけるくらい、今までで一番濃い時間を過ごしています。
そうなんです。現場でも流れているので、(「あまちゃん」主演の)のんちゃんにも、こないだ「映っているよ」とLINEしました(笑)。10年前の作品ですが、過ぎてみるとあっという間で、私自身はあまり変わった気がしません。でも、視聴者の方は細かいことに気付いてくださるので、何か変化に気付いたら、教えてもらえるとうれしいです。
最初はテレビの仕組みを知りたかったんです。私、テレビは全部生放送だと思って見ていたんですけど(笑)、どう考えても無理なので、その謎を解き明かすには、自分がテレビの中に入ればいいんだと思って。そうしたら担任の先生が、エイベックスのオーディションを紹介してくれたんです。「女優」という職業も知らなかったので、何となくイメージできた「モデル」で受けたら、身長が低かったので、合格したら演技の方になっていて(笑)。
小5か小6ぐらいのときです。最初は子役としてスタートさせていただいたら、お芝居のレッスンもほとんど受けてなかったのに、ぽんぽんと出演が決まったんです。地方から出てきたあか抜けない感じが、新鮮だったのかもしれません。その後、中学1年生で『告白』(10)という映画に出たとき、もの作りの面白さを知り、いろいろと勉強するようになって。そこが、私にとってお芝居を好きになった最初のターニングポイントだったと思います。それから高校を卒業して親元を離れ、上京したことをきっかけに、きちんと仕事として向き合うようになりました。
おゆうさんは自分の実年齢より4つか5つぐらい上の設定ですし、お着物を着て、かつらをつける役を頂けたことで自分の成長も実感できたので、すごくうれしいです。ただ、おゆうさんの候補は他にもたくさんいたはずなので、選んでいただいたからには、その方たちの分まで頑張る責任があると思っています。全ての役がそうですが、すごくシビアな世界なので、ふわふわしていたらすぐに置いていかれてしまいますし。実際、ふわふわしていたときは、いろんな人たちに追い抜かれていきましたから。
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