「進撃の巨人」がミュージカルに エレン・イェーガー役の岡宮来夢「絶望に立ち向かっていく心を熱く届けられたら」【インタビュー】

2022年9月5日 / 17:00

 コミックス累計発行部数が世界累計1億1千万部を超える大ヒット漫画『進撃の巨人』が、2023年1月に「進撃の巨人」- the Musical-として舞台化される。主人公のエレン・イェーガーを演じるのは、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの鶴丸国永役やミュージカル「王家の紋章」でルカ役を演じた岡宮来夢。歌とステージングによるアナログな演劇的手法と、最新のテクノロジーを駆使した斬新なスペクタクルの融合でミュージカル化される本作への意気込みを、岡宮に聞いた。

エレン・イェーガー役の岡宮来夢 (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」-the Musical-製作委員会

-「進撃の巨人」のミュージカル化の話を聞き、エレン役に決まったときの心境を教えてください。

 どうやってミュージカル化されるんだろうとワクワクしました。映画では、僕の大好きな三浦春馬さんがエレンを演じていたので、同じ役を演じさせていただけるのがすごくうれしいです。

-原作を読んだ感想は?

 序盤から手に汗握る展開で、心が休まる瞬間がない、緊張感のある作品だと感じました。自分が圧倒的なまでの弱者だったときに、それでも立ち向かっていけるのは本当にすごいことだと思います。もしも、僕がこの物語の世界にいたとしたら、絶対に調査兵団には入りたくない(笑)。エレンのように小さな頃にいろいろなきっかけがあれば、調査兵団という選択肢も出てくるのかもしれませんが、平成、令和に生きる岡宮来夢では分からないところもまだ多いので、今回、演じる上でひも解いていかなければいけないなと思います。

-今現在は、エレンという役をどうとらえて、どう演じたいと思っていますか。

 幼い頃からたくさん悲しい経験をしてきて、僕とは見てきた世界が違うと思うので、共感できると言ってしまったら、すごく浅くなってしまいますが、でも「そうなるよな」と理解できる部分もたくさんあります。エレンの魅力は、強靭(きょうじん)な精神力や諦めない心だと思うので、そこは大切にしたいです。僕も役者をしていると、すごい才能を持っている方に出会うことが多く、「自分はまだまだだ、なんでこんなにできないんだろう」と落ち込むこともあるのですが、そんなときも立ち向かっていける強い精神力や心意気を、この作品の稽古と本番を通してエレンから教えてもらえるんじゃないかと今から楽しみにしています。

-エレンのように、岡宮さん自身とはかけ離れた環境にいる役を演じるときは、どのようにして役を作っていくのですか。

 「共感できないとせりふをしゃべることはできない」とこれまでの作品で共演したspiさんや牧島輝くんに教えてもらったので、共感するというのは、僕にとって演じる上で大事なことだと考えています。もちろん、全く同じシチュエーションを体験するのは無理ですし、想像するにも限界はあります。ただ、spiさんが「自分の人生の中で経験した悲しい記憶などを引っ張り出してきて、それを類似するところに当てはめていくことでしか共感はできない」とおっしゃっていて、確かにそうだと僕も思うので、今回も自分の人生の出来事を思い返して、当てはめていこうと思います。エレンは、強い復讐心(ふくしゅうしん)を持った人物なので、僕もたくさんつらい記憶を引っ張り出して、しんどい思いもしながら作っていこうと思っています。

-ビジュアル撮影で、実際に衣裳を着用してみていかがでしたか。

 立体機動装置が、思っていたよりも重かったです(笑)。これを付けて空中で動いていると思うと、エレンをはじめとした調査兵団の皆さんはすごいなと。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開)  大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。  全員での内定獲得 … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

Willfriends

page top