エンターテインメント・ウェブマガジン
「不良少女とよばれて」(84)や「スクール☆ウォーズ」(84)など、大映テレビのドラマに数多く出演し、人気を博した松村雄基。1990年以降は、ドラマや映画のみならず、舞台出演にも力を注ぎ、その存在感を発揮している。6月8日から開幕する舞台「黄昏」には、高橋惠子演じる主人公・エセルの娘の恋人・ビル役で出演。老夫婦が美しい湖畔で過ごすひと夏を通して「家族の絆」を描く本作への意気込み、そして自身の俳優人生への思いを聞いた。
ビルはチャレンジャーな人だと思います。偏屈とうわさされる恋人の父親のところに、「こちらは再婚で、子どももいますが、娘さんをください」とお願いにいくのですから(笑)。ですが、元来が明るく素直な人間で、そこに瀬奈(じゅん)さん演じる恋人のチェルシーも引かれたんだとも思います。
共感というよりは、(初めに脚本を読んだときは)その突飛な行動力に対して驚きの方が大きかったです。最初は笑顔で人当たりがいいのですが、窮地に立たされた途端、突然人が変わったように頑固おやじに挑んでいくんですよ。それは、彼にとっても予想外の出来事に出会った末のことだったとは思いますが、その潔さにびっくりしました。僕にはできないです。
チェルシーの父・ノーマンにいろいろな言い方で「娘さんをください」と必死で伝えても、ノーマンが聞かないふりをするというシーンは、リアルではあるけれども、演じるのはとても難しいです。(80年代に松村が出演していた)大映ドラマもそうでしたが、僕は印象に残るアクションを多く演じてきた役者生活でしたので、今作のような日常的なリアルな会話でのお芝居というのは、あまり経験が多くなく、最初はプレッシャーもありました。ですが、演出家の鵜山(仁)さんとディスカッションを重ねる中で、僕なりの思いを込めていけばいいのではないかと思うようになり、今は楽しくなってきましたが…、それでもやっぱり難しいです。
この年齢になってくると、家族とは血縁や制度に関わらず、信じ、待ち、許し、守りたくなる相手だと思うようになりました。「信じ、待ち、許す」という言葉は、僕が20歳のときに出演した「スクール☆ウォーズ」で、山下真司さんが演じた滝沢先生が生徒に教えてくれた言葉です。(同作の中では)「愛する者とは、信じ、待ち、許すことができる相手」であることや、「人は愛する者を守るために生きる」ということを伝えていました。そう思える相手こそ、家族なんじゃないかと僕は思います。もちろん血縁でつながっている家族もそうでしょうが、血縁がなくとも、そう思える人は家族と同じ。例えば、僕の事務所の社長には、僕が14歳のときにスカウトされてから45年もお世話になっています。僕にとっては、信じ、待ち、許し、そして守りたい人です。なので、血縁関係にはないけれども、僕にとって家族同然です。
やはり大映テレビの作品です。それがあったから今があるんじゃないかと思います。特に「不良少女とよばれて」で不良少年役を演じてからは、不良役をたくさん頂くようになりました。そうして、「スクール☆ウォーズ」に出演することができ、世間での認知度が高まり、役者を続けてこられたんだと思います。その頃、僕は20歳前後で、始発で現場に向かい、終電で帰ってくるような毎日で、ただただガムシャラでした。今思うと、それが僕の青春だったんだと思います。
映画2025年5月17日
テレ東系で毎週月~金、朝7時30分から放送中の乳幼児向け番組「シナぷしゅ」の映画化第2弾。番組のメインキャラクター「ぷしゅぷしゅ」と相棒「にゅう」が、バカンスで訪れた「どんぐりアイランド」を舞台に繰り広げる冒険をオリジナルストーリーで描き … 続きを読む
映画2025年5月16日
『サブスタンス』(5月16日公開) 50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによってレギュラー番組を降ろされたことから、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、禁断の再生医療「サブスタンス= … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年5月16日
世界中で大ヒットを記録した「梨泰院クラス」が、初めてミュージカル化される。主人公のパク・セロイを演じるのは小瀧望。日本・韓国・アメリカのクリエーターが集結し、さまざまな人種が混じり合う自由な街・梨泰院で権力格差や理不尽な出来事に立ち向かう … 続きを読む
映画2025年5月15日
トム・クルーズ主演の大ヒットスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』が、5月23日の公開に先駆けて17日から先行上映される。前作『ミッション:インポッシブル/デッ … 続きを読む
映画2025年5月12日
人生に迷いながらソープ嬢として働く若い女性・加那と、彼女に介護されることになった認知症の祖母・紀江の交流を明るくポップなタッチで描いたユニークな映画『うぉっしゅ』が絶賛公開中だ。 本作で、加那を演じる若手注目株の中尾有伽と共に、紀江役で … 続きを読む