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新型コロナウイルスの影響を強く受ける中、細心の注意を払い、できる限りの感染対策を施して、一歩ずつ前へと進んできた演劇・ミュージカル業界。現在も、緊急事態舞台芸術ネットワークの「舞台芸術公演における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」、また政府および各自治体のガイドラインに基づいて公演が開催されている。そうした中、2022年は名作映画、名作コミックを原作とした大作舞台・ミュージカルの上演が多数予定されている。今回は、注目の舞台&ミュージカルをご紹介しよう。(※公演日程は、状況により変更になることがあります)
舞台「千と千尋の神隠し」
スタジオジブリの大ヒット映画を、橋本環奈と上白石萌音主演で初舞台化した「千と千尋の神隠し」は、東京・大阪公演を終え、5月1日~28日に福岡公演を開催する。
舞台化に当たり、翻案と演出を、ミュージカルの金字塔「レ・ミゼラブル」の世界初演の潤色・演出を担い、英国ロイヤル・シェークスピア・カンパニーの名誉アソシエイトディレクターのジョン・ケアードが担当。主人公・千尋が迷い込んだ八百万の神々の世界を、考え抜かれた演出で作り上げた。
登場する多彩なキャラクターの動きをアンサンブル(役名のないキャストをシーンごとに複数演じる出演者)たちによる人力で見せる手法は舞台ならでは。橋本、上白石をはじめとしたキャストたちの熱のこもった演技も相まって、物語の世界に没入することができる。
原作を丁寧に踏襲しているため、舞台初心者にもお薦めだ。7月3日・4日の名古屋・御園座での大千秋楽公演が、Huluストアで生配信されることも決定している。
5月1日~28日に福岡・博多座、6月6日~12日に北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru、6月22日~7月4日に名古屋・御園座で上演。
ミュージカル「るろうに剣心 京都編」
16年に宝塚歌劇団によって、18年に早霧せいな主演で新橋演舞場でもミュージカル化され、大きな話題を呼んだ本作が、IHIステージアラウンド東京に劇場を移し、原作ファンからも人気の高い“京都編”を始めて上演する。
主人公の緋村剣心役を演じるのは小池徹平。さらに、志々雄真実役を黒羽麻璃央、四乃森蒼紫役を松下優也、比古清十郎役を加藤和樹が演じ、演出・脚本を小池修一郎が担当する。
会場となるIHIステージアラウンド東京は、客席が360度回転し、その周囲を囲むステージとスクリーンで作品世界を体験できる劇場だ。客席の回転、スクリーンの動き、映像、音楽、照明が一体となり、これまでの舞台とも映画とも違った、ここでしか味わえない疾走感や臨場感を体感することができる。
ミュージカルではあるものの、ストーリー上、殺陣やアクションシーンが多い作品だけに、この特殊な劇場を使った壮大なアクションに期待が高まる。
5月17日~6月24日に都内・IHIステージアラウンド東京で上演。
舞台「呪術廻戦」
18年から『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)で連載中の、シリーズ累計発行部数が6500万部を超える、芥見下々の大人気漫画を初舞台化。
人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で払う呪術師との闘いを描いた本作は、現代社会を舞台に、古来より伝わる呪術を用いて戦うという斬新な内容が話題となり、テレビアニメの放送や映画『劇場版 呪術廻戦 0』の公開など、さまざまなメディアで展開され、人気を博している。
今回の舞台化に当たっては、虎杖悠仁役を佐藤流司、伏黒恵役を泰江和明、釘崎野薔薇役を豊原江理佳、七海建人役を和田雅成、真人役を太田基裕、五条悟役を三浦涼介が演じるなど、2.5次元ミュージカルで活躍する人気、実力を兼ね備えた俳優が集結。
脚本は、映画『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平、演出は、数々の作品で脚本・演出を手掛け、NHK Eテレの「みいつけた!」のオフロスキー役でも知られる小林顕作が担当する。呪術を用いた戦いを「舞台」というメディアでどのように表現するのか注目したい。
7月15日~31日に都内・天王洲 銀河劇場、8月4日~14日に大阪・メルパルクホール大阪で上演。