制作統括が語る豪華キャストの見どころ「四兄妹それぞれの青春模様を笑いもたっぷりに描いていきます」小林大児(制作統括)【「ちむどんどん」インタビュー】

2022年4月23日 / 12:00

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ちむどんどん」。沖縄の本土復帰50周年の節目に合わせ、復帰前の沖縄で四人兄妹の次女として生まれ育ったヒロイン比嘉暢子が上京し、沖縄の家族に支えられながら料理人の道を目指す50年の物語が繰り広げられる。ここまで視聴者を魅了してきた沖縄のおいしい料理の数々や、美しい自然と並ぶ本作の注目ポイントが、四兄妹を演じる豪華キャストの顔ぶれだ。子役を中心に進行した2週が経過し、いよいよ来週からヒロイン暢子役の黒島結菜をはじめ、兄妹役の竜星涼、川口春奈、上白石萌歌が本格的に活躍することになる。制作統括を務める小林大児氏が、撮影の舞台裏やドラマの見どころを語ってくれた。

比嘉暢子役の黒島結菜

-まず、ヒロインの暢子役をオーディションで選ぶのではなく、黒島結菜さんに直接オファーをした理由を聞かせてください。

 脚本の羽原大介さんと一緒に暢子のイメージを話し合う中、他の土地とは違った特色を持つ沖縄が舞台ということで、沖縄出身の方に演じてもらった方が、安心してお任せできるだろうという話になりました。黒島さんはシリアスな役柄でも、コミカルな役柄でも、魅力的に表現していただける女優さんで、ある種のオーラもまとっている方です。さらに、沖縄出身ということで、沖縄独特の空気感も体現していただけるだろうと。そんなことから、暢子役は黒島さん以外に考えられない、という結論に達しました。

-実際に現場で感じた黒島さんの魅力を教えてください。

 朝ドラのヒロインって、せりふ量がものすごく多いんです。それをきちんと覚えているだけでもすごいのに、黒島さんはその苦労を感じさせず、常にゆったりとした感じでスタジオの前にいらっしゃるんです。それこそ、“沖縄的”とでもいうような空気感で。それは撮影を始めてみて、改めてすごいと感じた部分です。きっと、見えないところで努力していらっしゃるんでしょうけど、それを見せない点も含めて、暢子に似ている気がします。ご本人も取材などで「のんきでポジティブな暢子の影響を受けているところが若干あるかも」とおっしゃっていましたし。そういう大らかな人柄がこのチームを引っ張ってくれているので、とてもありがたく思っています。

-黒島さんがスタッフ全員に手製の名札を配ったそうですが、現場の雰囲気はいかがでしょうか。

 スタッフ一人一人に名札を作ってくださったように、黒島さんが積極的に交流を図ってくださっているおかげで、誰もが居心地のいい現場になっています。これも現場でご一緒して初めて分かったことですが、黒島さんは「演じる」ということだけでなく、「一つの作品を皆で作るユニットの一人」という楽しみ方が性に合っているようなんです。だから、カメラマンにも、照明担当のスタッフにも、気軽に声を掛けてくださいます。彼女にとってそれは「垣根を越えて」みたいな改まった話ではなく、「同じチームの仲間だから」というだけのことなんです。ロケ現場でも、スタッフのちょっとした仕事を、いつの間にか手伝ってくれているなど、チームの一員として気軽に過ごしてくださっているので、僕らとしても親近感が生まれますし。おかげで、現場の雰囲気もとても和やかです。

-今回はヒロインの暢子だけでなく、兄妹役にも魅力的な俳優の方々がそろいました。四兄妹を演じる皆さんの雰囲気はいかがでしょうか。

 暢子の兄妹も、竜星涼さん(兄・賢秀役)、川口春奈さん(姉・良子役)、上白石萌歌さん(妹・歌子役)という豪華な顔ぶれの皆さんに演じていただきます。昨年の11月から12月にかけて沖縄ロケを行った際、4兄妹が初めてまとまった時間を一緒に過ごす機会がありました。コロナ禍なのでマスクを着けたままでしたが、撮影の合間にそれぞれの役柄について気軽におしゃべりするなど、積極的にコミュニケーションを取っていました。沖縄の開放的な空気も手伝って、皆さんが距離を縮めるきっかけになったのではないかと思います。おかげで、スタジオ撮影に戻ってからも、すっかり家族のような空気が出来上がっていて、誰かが面白いことを言うと、すかさず他の誰かが突っ込む、みたいないい雰囲気で盛り上がっています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

高橋一生、平山秀幸監督「アクションはもちろん、人間ドラマとしてもちゃんと娯楽性を持っている作品に仕上がっていると思います」「連続ドラマW 1972 渚の螢火」【インタビュー】

ドラマ2025年10月20日

 1972年、本土復帰を間近に控えた沖縄で、100万ドルの米ドル札を積んだ現金輸送車が襲われ行方を絶った。琉球警察は本土復帰特別対策室を編成。班長には、警視庁派遣から沖縄に戻って来た真栄田太一が任命される。班員は、同級生でありながら真栄田を … 続きを読む

オダギリジョー「麻生さんの魅力を最大限引き出そうと」麻生久美子「監督のオダギリさんは『キャラ変?』と思うほど(笑)」『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』【インタビュー】

映画2025年10月17日

 伝説の警察犬を父に持つオリバーとそのハンドラーを務める鑑識課警察犬係の青葉一平(池松壮亮)のコンビ。だが、なぜか一平だけにはオリバーがだらしない着ぐるみのおじさん(オダギリジョー)に見えており…。  この奇想天外な設定と豪華キャストが繰り … 続きを読む

【映画コラム】初恋の切なさを描いた『秒速5センチメートル』と『ストロベリームーン 余命半年の恋』

映画2025年10月17日

『秒速5センチメートル』(10月10日公開)  1991年、春。東京の小学校で出会った遠野貴樹(上田悠斗)と転校生の篠原明里(白山乃愛)は、互いの孤独を癒やすかのように心を通わせていくが、卒業と同時に明里は栃木に引っ越してしまう。  中学1 … 続きを読む

大谷亮平「お芝居の原点に触れた気がした」北斎の娘の生きざまを描く映画の現場で過ごした貴重な時間『おーい、応為』【インタビュー】

映画2025年10月16日

 世界的に有名な天才浮世絵師・葛飾北斎。その北斎と長年生活を共にし、自らも絵師“葛飾応為”として名をはせた娘・お栄の生きざまを描いた『おーい、応為』が10月17日から全国公開となる。劇中、北斎(永瀬正敏)の弟子の絵師“魚屋北渓”として知られ … 続きを読む

黒崎煌代 遠藤憲一「新しいエネルギーが花開く寸前の作品だと思います」『見はらし世代』【インタビュー】

映画2025年10月15日

 再開発が進む東京・渋谷を舞台に、母の死と残された父と息子の関係性を描いた『見はらし世代』が10月10日から全国公開された。団塚唯我のオリジナル脚本による長編デビュー作となる本作で、主人公の蓮を演じた黒崎煌代と父の初を演じた遠藤憲一に話を聞 … 続きを読む

Willfriends

page top