【インタビュー】舞台「あの子より、私。」黒谷友香、伝えたいのは「人と比べなくていいんだよということ」

2022年1月12日 / 08:00

 黒谷友香が主演する舞台「あの子より、私。」が、1月15日から上演される。本作は、人気エリアの“別荘地見学会”を舞台に、こじらせ女子たちが繰り広げる、理想の物件を巡る内見バトルを描く。黒谷のほかに、基俊介(IMPACTors/ジャニーズJr.)、遊井亮子らが出演し、「あの子より、幸せな女に見られたい」と願う大人たちの群像劇を作り上げる。今回は黒谷に本作での役作りや公演への意気込みを聞いた。

黒谷友香

-“内見バトル”という面白いシチュエーションをテーマにした作品ですが、出演が決まったときはどんな気持ちでしたか。

 女の人が多い現場なので、楽しみでした。(脚本・演出の)岸本(鮎佳)さんとは初めてご一緒するのですが、女性ならではの目線で作品を作られているので、それもとても面白そうだと思いました。(取材当時)お稽古が始まったばかりですが、すごく楽しい時間が流れているなと思います。

-黒谷さんは今回、絵に描いたような理想的な家族の母親で、カリスマ美容家の兎谷夕美を演じますが、どんな人物だと捉えていますか。

 美容雑誌にも定期的に出ていて、いろいろなメーカーさんとやりとりをして商品開発をしている地位のある女性ですが、意外とおちゃめな部分もあるんです。ファーム事業に興味があるのに、虫に触れなかったり(笑)。女性から憧れられる存在でありながら、天然でかわいらしい面もある女性です。なので、そんなギャップを出せたらいいなと思っています。

 -夕美に共感するところは?

 私、虫は触れるんですよ(笑)。なので、そこは全然違いますが、私もハーブを育てたり、2拠点生活をしていたりするので、似ているところは多いと思います。今回、岸本さんがキャストをイメージしてそれぞれの役を書いてくださったので、それぞれのキャストが持っている要素が入ったキャラクターになっていると思います。なので、似ているところがあると思いますし、共感できるところもたくさんあります。

-脚本を読んで、この作品のどんなところに魅力を感じましたか。

 笑えるところもあれば、ホロッとくるところもあって、バランスがすごくいい作品だなと思います。登場する男性キャラも、女の人の理想が入りながらも、現実的なところもあって、女心をくすぐるキャラになっています。こんな世界があったらいいなと、楽しんでもらえる舞台になるんじゃないかなと思いました。

-稽古場の雰囲気はいかがですか。

 すごく和気あいあいとしています。私は、遊井さん以外の方とは初めての共演なんですが、すぐに皆さん、なじめたと思います。それは、岸本さんがそういう空気を作ってくださったから。最初から近い距離でできている気がします。今回は群像劇ということもあり、絡まないキャストがいないということもあって、より一体感があるように思います。

-岸本さんの演出を受けて、どんなことを感じていますか。

 現在(取材当時)、お稽古が始まってまだ3日なのですが、最初に作品の大まかな枠を説明してくださったので、キャスト皆の共通認識が出来上がり、作品を理解するまでのスピードが早まったんじゃないかなと思います。質問やディスカッションにも気軽に応じてくださるので、コミュニケーションも取りやすいです。スタッフさんも含め、一丸となって楽しめる舞台になるなと感じました。

-本作のタイトル「あの子より、私。」にちなんで、黒谷さんは他人と自分を比べてしまうことはありますか。

 それはきっと誰にでもあることだと思いますし、私自身も比べてしまうことはあります。ただ、この作品では、人と比べて「あの子より私の方が…」ということを描きたいわけではないんです。むしろ、「人と比べなくていいんだよ」ということを伝えたいんです。人生の中でたくさんの人と出会って、一緒に過ごしたり、一瞬の時を楽しんだりした経験がその人を作っていく。その時々には、人と比べてしまったり、競走したりすることもあるかもしれませんが、それらを経験したからこそ、自分はいいように変わっていった。そんなことを伝えられたらいいなと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

毎熊克哉「桐島が最後に何で名乗ったのかも観客の皆さんが自由に想像してくれるんじゃないかと思いました」『「桐島です」』【インタビュー】 

映画2025年7月3日

 1970年代に起こった連続企業爆破事件の指名手配犯で、約半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した桐島聡の人生を、高橋伴明監督が映画化した『「桐島です」』が、7月4日から全国公開される。本作で主人公の桐島聡を演じた毎熊克哉に話を聞いた。 -桐島 … 続きを読む

磯村勇斗&堀田真由、ともにデビュー10年を迎え「挑戦の年になる」 ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」【インタビュー】

ドラマ2025年7月2日

 磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎が出演するカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「僕達はまだその星の校則を知らない」が7月14日から放送スタートする。本作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(磯村勇斗)が、少 … 続きを読む

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。6月29日放送の第25回「灰の雨降る日本橋」では、浅間山の噴火によっ … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

 あのルパン三世が、約30年ぶりに2Dの劇場アニメーションとして帰ってくる。舞台は地図に載っていない謎の島。お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは正体不明の存在だった。前代未聞のスケールで描かれ、全ての「ルパン三世」につながる … 続きを読む

Willfriends

page top