【インタビュー】映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』ナタリア・レイエス、マッケンジー・デイビス、ガブリエル・ルナ「憧れの『ターミネーター』の世界の中に自分がいるのは最高の体験でした」

2019年11月8日 / 09:00

 『ターミネーター2』(91)の正統な続編として製作された『ターミネーター:ニュー・フェイト』が11月8日から公開される。本作で、人類存亡のキーマンとなるダニーを演じたナタリア・レイエス、未来からやって来た強化型兵士のグレースを演じたマッケンジー・デイビス、そして最新型ターミネーターREV‐9を演じたガブリエル・ルナが来日し、インタビューに応じた。

(左から)ガブリエル・ルナ、ナタリア・レイエス、マッケンジー・デイビス

-この映画に出演したことについて、ご家族や周囲の反応はいかがでしたか。

ガブリエル そもそも、母が僕を『ターミネーター』シリーズに導いてくれました。母はシリーズの大ファンなので、今回の出演をとても喜んでくれました。地元のテキサスでブローモーションの試写があったので、家族や友人を招くことができました。その際、ロバート・ロドリゲス監督が司会をしてくれました。今回の出演が決まると、みんなから「いつから撮影?」「いつ公開?」「アーノルドはどう?」「ヨーロッパでのロケはどう?」などと質問攻めに遭いました。映画が公開されると、母は60人ぐらいを引き連れて見に行ってくれました。

マッケンジー 今回、アーノルドと共演したことで最も興味深かったことは、彼の存在に大きな影響を受けて、彼との関係性を意識しながら育ってきた人が世界中にたくさんいるということでした。なので、自分がどうというよりも、家族や友達の方が、私がアーノルドと一緒に仕事をしていることに興奮していました。「何か彼とのエピソードはないの?」なんて聞かれたりもしました。自分にとっては、今までで一番大きな作品だったので、例えば、ロンドンのバスに映画のポスターが貼ってあって、そこに私の顔があると、周りの人から驚かれたことが印象に残っています。

ナタリア 家族や友人たちがとてもワクワクしてくれて、「信じられない」と言われました。私はコロンビアの出身なのですが、国の人たちは、自分たちと同じ国の人間が大きなスクリーンに映ることに慣れていないので、映画の公開後に、友達から「本当に出演していたんだね」というメールがきました。別にうそをついていたわけではないのに…(笑)。また、私が演じたダニーが、すぐに死ぬと思った人も多かったのですが、アンダードッグ(敗者)のような、ラテン系のダニーが活躍するこの映画は、よくあるドラッグなどのマイナスイメージが全くない形でキャラクターが成立していたので、ラテン系の人間の一人として、とても誇らしく思いました。

-憧れの『ターミネーター』シリーズの中に自分が入った感覚とはどんなものだったのでしょうか。

ガブリエル 先ほどもお話しましたが、僕が10歳の時に母が『ターミネーター2』を見に連れて行ってくれました。僕には父がいなかったので、一家の大黒柱は母でした。僕は母の望み通りに、あの映画が大好きになり、自分と同年齢のジョン・コナーに共感を覚えました。そのジョンを守るアーノルドが演じたT-800が、僕にとっては父親の代理のように映りましたし、おもちゃもたくさん買いました。そのシリーズに、今回自分が参加することになったのはうれしい驚きでした。まさか、自分が何度も見てきた映画の世界と自分の人生が交錯するなんて思ってもみませんでしたから。その気持ちを言葉にするのは難しいのですが、『ターミネーター』は、自分からは遠い所にある、神話のようなものだったので、その中に自分がいるというのは、とても不思議な気がしました。でも、それは最高の体験でした。

マッケンジー 『ブレードランナー 2049』(17)やこの映画のような規模の作品に出演すると、自分が映画の世界に入ったような感覚になる瞬間があります。虚構の世界なのに、本当に自分がその世界の中にいるような気分になるのは素晴らしい体験でした。それは優れたスタッフの力によるものですが、私にとっては特別な、シュールな体験になりました。5歳の自分がファンタジーの世界の中にいるような感覚を味わうことができてラッキーだったと思います。

ナタリア 自分がアクション映画に出演するとは思っていなかったので、うれしい驚きでしたし、新たな演技の原理を学ぶという大きな挑戦にもなりました。今回は、自分にとってはレジェンドと呼べるような人たちに学びながら役を作っていきました。トレーニングは大変でしたが、撮影現場に行くと、遊園地に行ったようなワクワク感があって、とても楽しい時を過ごしました。

-ガブリエルさんはシュワルツェネッガーさんと一緒にトレーニングをしたそうですね。また、『ターミネーター2』でT-1000を演じたロバート・パトリックさんのことは意識しましたか。

ガブリエル 今回REV‐9を演じる上で、ロバートの影響はとても大きくて、『ターミネーター2』での彼の演技に感謝しています。REV‐9の存在はT-800やT-1000の延長線上にあるので、しっかり分析しようと思いました。ロバートが特にいいと思った点は、スピード感にあふれ、俊敏な動きをするところでした。短距離走的な、手を刃物のようにして、常に前進していく走り方もとても印象的でした。それらはぜひ取り入れたいと思いました。顔もしかめっ面では駄目で、顎を低くして、額が前面にくるような姿勢を取ることも大事です。あとは、制服をとてもかっこよく着こなしていたので、僕も負けないようにしようと思いました(笑)。今回は米空軍やエルパソ警察など、いろいろな制服を着ることができたので、かっこよく着ることを意識しました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開)  大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。  全員での内定獲得 … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

Willfriends

page top