【インタビュー】『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』アリソン・スドル&ダン・フォグラー「クイニーとジェイコブの絆の強さに説得力を持たせようと思いました」

2018年11月29日 / 07:17

 『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが自ら脚本を担当し、同シリーズと同じく魔法ワールドを舞台に、魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)の冒険を描く最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が公開された。2年前の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に続いて魔女のクイニーを演じたアリソン・スドルと、その恋人のジェイコブを演じたダン・フォグラーに、今回の見どころや、撮影の裏側について聞いた。

アリソン・スドル(左)とダン・フォグラー

-前作に続いての出演ですが、今回はどんな点に重点を置いて演じようと思いましたか。

アリソン クイニーの本質は保ちながらも、今回はキャラクターが発展していくので、それに沿ってちゃんと膨らませられるように意識しました。同じクイニーを演じるとはいえ、今回は状況が違うので、前回とのバランスを考えながら演じました。

ダン 僕は最初の登場シーンが肝心だと思っていたので、そこはかなり意識しました。ジェイコブがクイニーの魔法にかかって恋におぼれている、という状態です。そこから恋人同士のけんかになっていくのですが、そこに説得力を持たせることができれば、その後のシーンは、観客が付いてきてくれると思ったので、そこを一番意識しました。

-今回は、ジョニー・デップとジュード・ロウという2人のスターが撮影に加わりました。現場の雰囲気は変わりましたか。また共演した感想は?

ダン 現場に来れば、1920年代のパリの街並みを再現した巨大なセットがそこにあるわけですから、さすがのジョニーやジュードも「すごい!」とあっけにとられた様子でした。その様子を見て、彼らも僕らと同じなんだと思って楽しかったです。

アリソン これだけ大きなプロジェクトになると、俳優としては、人間性や想像力を保ちながらその役を演じることが難しくなりがちです。ジョニーは大スターですが、「ジョニー・デップだ」とこちらが意識して演じると、2人のキャラクターの関係性を築くことはなかなかできません。それを知ってか、ジョニーの方から冗談を言ってくれたりして緊張をほぐしてくれました。そのおかげで、互いに集中してそれぞれのキャラクターを演じることができましたが、それは監督のデイビッド・イェーツの演出の力も大きいと思います。

-今回も原作者のJ・K・ローリングが撮影現場を訪れたのでしょうか。

ダン はい。彼女の発言はたいてい監督経由で伝わってくるのですが、「前作の俳優の演技にはとても満足しているので、今回も自由に演じてほしい」と聞いたので、俳優として自信を得ることができました。ロンドンプレミアでは彼女の隣にいたので少し話をしました。「今、次回作を書いているんだけど、ちょうどジェイコブのせりふを書いたところなの」と聞いて、とてもうれしかったです。

アリソン 役に対していろいろと聞きたいことがあったので、たくさん質問しましたが、彼女は「大丈夫。あなたはキャラクターをちゃんと理解してくれているから、自分の直感を信じて」と言ってくれました。

-今回は2人の関係に新たな展開が見られますが、この展開は予想していましたか。

アリソン ネタバレになるのであまり詳しくは話せないのですが…(笑)。私たちがこの映画の展開を何となく知ったのは、プロモーションが始まったところからです。それを知って、一番気を付けなければならないのは、クイニーとジェイコブの絆がいかに強いのか、それをいかにして築いてきたのかに、説得力を持たせることだと思いました。今回2人に起こる仲違いは、誰にでもあることなので、それを追求するのはとても面白かったです。彼らはいろいろな選択をしながら、進路を決めていきます。その意味でも、納得できる展開だと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

オダギリジョー「麻生さんの魅力を最大限引き出そうと」麻生久美子「監督のオダギリさんは『キャラ変?』と思うほど(笑)」『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』【インタビュー】

映画2025年10月17日

 伝説の警察犬を父に持つオリバーとそのハンドラーを務める鑑識課警察犬係の青葉一平(池松壮亮)のコンビ。だが、なぜか一平だけにはオリバーがだらしない着ぐるみのおじさん(オダギリジョー)に見えており…。  この奇想天外な設定と豪華キャストが繰り … 続きを読む

【映画コラム】初恋の切なさを描いた『秒速5センチメートル』と『ストロベリームーン 余命半年の恋』

映画2025年10月17日

『秒速5センチメートル』(10月10日公開)  1991年、春。東京の小学校で出会った遠野貴樹(上田悠斗)と転校生の篠原明里(白山乃愛)は、互いの孤独を癒やすかのように心を通わせていくが、卒業と同時に明里は栃木に引っ越してしまう。  中学1 … 続きを読む

大谷亮平「お芝居の原点に触れた気がした」北斎の娘の生きざまを描く映画の現場で過ごした貴重な時間『おーい、応為』【インタビュー】

映画2025年10月16日

 世界的に有名な天才浮世絵師・葛飾北斎。その北斎と長年生活を共にし、自らも絵師“葛飾応為”として名をはせた娘・お栄の生きざまを描いた『おーい、応為』が10月17日から全国公開となる。劇中、北斎(永瀬正敏)の弟子の絵師“魚屋北渓”として知られ … 続きを読む

黒崎煌代 遠藤憲一「新しいエネルギーが花開く寸前の作品だと思います」『見はらし世代』【インタビュー】

映画2025年10月15日

 再開発が進む東京・渋谷を舞台に、母の死と残された父と息子の関係性を描いた『見はらし世代』が10月10日から全国公開された。団塚唯我のオリジナル脚本による長編デビュー作となる本作で、主人公の蓮を演じた黒崎煌代と父の初を演じた遠藤憲一に話を聞 … 続きを読む

草なぎ剛「今、僕が、皆さんにお薦めしたい、こういうドラマを見ていただきたいと思うドラマです」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」

ドラマ2025年10月14日

 草なぎ剛主演の月10・新ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時/初回15分拡大)が13日から放送スタートとなった。本作は、妻を亡くし、幼い息子を男手一つで育てるシングルファーザ … 続きを読む

Willfriends

page top