【映画コラム】ワールドカップの余勢を駆って『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』

2018年7月7日 / 15:22

 2018 サッカーワールドカップもいよいよ大詰めを迎えた。そんな中、原始人のサッカー対決を描いたアニメーション映画『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』が公開された。

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 本作は『ウォレスとグルミット』『ひつじのショーン』シリーズなどを作ったイギリスのニック・パーク監督とアードマン・アニメーションズが作り上げたクレイアニメ作品である。

 クレイアニメとは、登場人物と背景をクレイ(=粘土)でできたパペット(=人形)で作り出し、1コマずつ撮影を重ね、長い時間を懸けて1本の作品に仕上げていくもので、CGアニメとはひと味違う温かみが感じられる。本作も8年の歳月を懸けて作られたという。

 そんな本作の舞台は、マンモスが生きていた先史時代。原始部族の少年ダグと仲間たちが住む谷が、青銅器族の総督ヌースに侵略される。ブロンズ・エイジ・シティで“サッカー”というスポーツが行われることを知ったダグは、故郷を取り戻すため、最強チームに戦いを挑む。

 最初のボールは隕石? ゴールは岩を積み上げたもの? など、まことしやかにサッカーの起源が語られるのが楽しいが、「ただボールを蹴って、相手のゴールに入れればいい」というシンプルなせりふや、個人技よりもチームワーク、戦争ではなくサッカーで決着を着けるという設定などから、スポーツの本質を突くような鋭さもある。

 
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