「僕と(鈴木)亮平の関係そのままの感覚でやってみました」谷田歩(木場伝内)【「西郷どん」インタビュー】

2018年5月13日 / 20:50

 “菊池源吾”の名で奄美大島に流された吉之助は、薩摩藩の支配下で過酷な生活を強いられる島民たちの姿を目の当たりにする。その薩摩藩の役人でありながら、やがて吉之助に共感し、親交を結んでいくのが木場伝内だ。演じるのは、舞台を中心に活躍し、鈴木亮平とも共演経験のある谷田歩。島編のロケ撮影の裏話や、鈴木とのエピソードを語ってくれた。

木場伝内役の谷田歩

-木場伝内とはどんな人物でしょうか。

 薩摩藩から奄美大島に派遣されてきた役人で、薩摩隼人らしい熱い心を持った人物です。島に送られてきた吉之助と出会い、大久保からの手紙を仲介するほか、吉之助が島を離れた後は愛加那との手紙のやりとりを手伝うなど、吉之助を支え続けたと言われています。

-残された史実も少ない人物ですが、役作りはどのように?

 吉之助よりも9歳年上ということだったので、僕と(鈴木)亮平の関係そのままの感覚でやってみました。あとはもう、現場で感じたものを生かして…と思っていたら、吉之助との初対面のシーンがすごくて…。役人が島民たちから厳しく砂糖を取り立てているところに吉之助が現れるのですが、廃人同然のその姿が「絶対こいつには勝てない!」という迫力。自分の上司がやられているのに、全く手が出せない。それを見たら、そのとき感じた自分の気持ちそのままで演じることができました。

-木場は吉之助のどんなところに引かれて、親しくなったのでしょうか。

 役人の不正を目の当たりにした吉之助が、「許せんもんは許せん」と言う場面があります。今よりもずっと上下関係が厳しいあの時代、そう言える姿に木場自身も救われたのではないでしょうか。上役の田中(近藤芳正)が不正をしていることは当然知っている。もちろん、藩に収めるものは収めなければいけない田中の立場も分かるが、やり過ぎではないか…。そんなふうに思いながらも、自分では何もできずにいた。そこへ、まるで正義の味方のように現れたのが、吉之助だった。その姿にほれたに違いありません。

-ロケで奄美大島と沖永良部島にも行かれたそうですが、感想は?

 スタジオよりも、ずっと気持ちがいいですね。開放的だし、海も山もきれいで…。「西郷どん」のオープニングに登場する丘でも撮影させてもらったのですが、晴れているときにはクジラやウミガメが見えるような場所だったので、最高でした。

-そういった現地の空気を感じると、お芝居も変わってきますか。

 気持ちも解放されるので、明るくなります。だからといって現場の空気が緩くなるわけではなく、亮平もいろいろとアイデアを出したりして、お互いに熱い芝居ができました。おかげで、いつもより一段階上に行けたような気がします。加えて、他のキャストやスタッフとも一緒にお酒を飲めたので、スタジオで撮影しているときよりも密な関係を築けました。そういった空気感も、きっとドラマに反映されているはずです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

市毛良枝「現代の家族のいろんな姿を見ていただけると思うし、その中で少しでもホッとしていただけたらいいなと思います」『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』【インタビュー】

映画2025年10月23日

 祖父の他界後、大学生の拓磨は、夫に先立たれて独り残された祖母・文子と同居することになった。ある日、拓磨は亡き祖父・偉志の書斎で、大学の入学案内を見つける。それは偉志が遺した妻・文子へのサプライズだった。市毛良枝とグローバルボーイズグループ … 続きを読む

林裕太「北村匠海さんや綾野剛さんとのつながりを感じました」期待の若手俳優が先輩2人と作り上げた迫真のサスペンス『愚か者の身分』【インタビュー】

映画2025年10月22日

 10月24日から全国公開となる『愚か者の身分』は、第二回大藪春彦新人賞を受賞した西尾潤の同名小説を映画化した迫真のサスペンスだ。新宿の歌舞伎町で、犯罪組織の手先として戸籍売買を行う松本タクヤ(北村匠海)とその弟分・柿崎マモル、タクヤの兄貴 … 続きを読む

南琴奈「今までに見たことがないような映画を楽しんでいただけたらと思います」『ミーツ・ザ・ワールド』【インタビュー】

映画2025年10月22日

 芥川賞作家・金原ひとみが新宿・歌舞伎町を舞台に描き、第35回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を、松居大悟監督、杉咲花主演で映画化した『ミーツ・ザ・ワールド』が10月24日から全国公開される。二次元の世界を愛し、自己肯定感の低い主人公の由嘉里 … 続きを読む

timelesz・橋本将生「『大切な人を守りたい』という気持ちは共感できる」 菊池風磨のアドバイスも明かす【インタビュー】

ドラマ2025年10月21日

 timeleszの橋本将生が主演するドラマ「ひと夏の共犯者」(テレ東系)が毎週金曜深夜24時12分~放送中だ。本作は、大学生の主人公・岩井巧巳(橋本)が、推しのアイドル・片桐澪(恒松祐里)との夢のような同居生活を送るうちに、彼女の中にもう … 続きを読む

高橋一生、平山秀幸監督「アクションはもちろん、人間ドラマとしてもちゃんと娯楽性を持っている作品に仕上がっていると思います」「連続ドラマW 1972 渚の螢火」【インタビュー】

ドラマ2025年10月20日

 1972年、本土復帰を間近に控えた沖縄で、100万ドルの米ドル札を積んだ現金輸送車が襲われ行方を絶った。琉球警察は本土復帰特別対策室を編成。班長には、警視庁派遣から沖縄に戻って来た真栄田太一が任命される。班員は、同級生でありながら真栄田を … 続きを読む

Willfriends

page top