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敬愛する主君・島津斉彬(渡辺謙)の死とともに窮地に陥った吉之助は、ついに故郷・薩摩から遠く離れた島へ送られることとなった。どん底に落ちた吉之助は、今後、奄美大島、沖永良部島と二度の島流しに遭いながらも、運命の女性・愛加那(=とぅま)との出会いなどを経て、大きく成長していく。果たして、その先に待ち受けるものとは? 主演の鈴木亮平が、第18回以降の見どころ、斉彬に対する思いなどを語ってくれた。
絶望と自己嫌悪です。自分1人だけが生き残ってしまったという自己嫌悪の思いは、とてつもなく大きい。殿(=斉彬)もいない、自分は何も成し遂げられなかった、全部失敗した。そんなことから最初、気持ちは死に向かっています。吉之助さん自身も「自分は土の中の死んだ骨だ」と言っていますが、まさに死人です。
全く別のドラマのような気分です。つらさも感じないぐらい感情がゼロの状態で、島の自然の美しさや、人の優しさに気付くことなく、現地の風習を見下している。出された料理に手もつけず、ひっくり返してしまうのですが、そんなことは今までの吉之助さんからは考えられません。でも、そういうことが自然にできてしまう。自分の中に生まれてくるものが、今までの吉之助さんとは全く違ったので驚きました。
愛加那さんと出会い、自分が「民のために」と思ってやってきたことが、島の人たちからの搾取の上で成り立っていたことに気付かされます。吉之助さんは、“自分のため”という理由では再生できません。人のために、この状況を何とかしたいと思った時に再生していく。そのきっかけを与えてくれたのが、愛加那さんでした。そこが大きなポイントになっていると思います。
そうですね。僕が一番好きなせりふですが、まさに衝撃です。ずっと「民のために」と思って働いてきた吉之助さんは、そういう搾取の構図があることを知らなかった自分を責める。そこで「こんなことがあってはならない」と思ったことをきっかけに、目の前のことだけでなく、それが間接的にどんな影響を与えるかということを、大きな視点で考えるようになったのだと思います。
すごいです。感受性の塊という印象ですが、それだけでなく、客観的な視点からいろいろなアイデアも出しつつ、真面目にお芝居と向き合う。その姿勢に本当に驚かされます。年齢は僕よりもかなり下ですが、引っ張っていただいているような感覚もあり、その方が正解な気がしています。二階堂さんの感性やお芝居に染まることが、吉之助さんが島に染まっていく過程にリンクすると思うので。
皆さんが知っている、ぶれない、頼もしい、大人の“西郷隆盛”に変わっていくために必要な期間が、二つの島での幸せな生活と過酷な体験だったのではないかと。今の吉之助さんを見ていると、頼りなくて失敗ばかりなので、「本当に西郷隆盛?」と感じるかもしれませんが、島での生活がその大きな転換点になると思います。
全然違うお芝居になっていると思います。「殿のために」と頑張っていた時代とは違って、いい意味でどんどん力が抜けていきますし、愛加那さんと結婚して子どもも生まれ、守るものを持ったことで強くなる。吉之助さんの成長をはっきりと感じていただけるのではないかと思います。
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