坂本昌行&松崎祐介が「るつぼ The Crucible」で舞台初共演 「人間味のあるリアルな感情を表現できたら」【インタビュー】

2026年1月28日 / 08:00

 坂本昌行が主演する舞台「るつぼ The Crucible」が3月14日から東京芸術劇場プレイハウスで上演される。本作は、「セールスマンの死」や「橋からの眺め」などで知られる劇作家アーサー・ミラーの代表作で、1692年にマサチューセッツ州セイラムで実際に起きた魔女裁判を題材に、集団心理の恐ろしさや人間の尊厳と愚かさを描く。主人公のジョン・プロクターを演じる坂本と、坂本とは舞台では初共演となるジョン・ヘイル牧師役のふぉ~ゆ~の松崎祐介に公演への意気込みを聞いた。

坂本昌行【ヘアメーク:浅野有紀( Rooster) /スタイリスト:KYOU】(左)と松崎祐介【ヘアメーク:国府田雅子/スタイリスト:小林洋治郎 】

-出演が決まり、最初に脚本を読んだ感想を教えてください。

坂本 ついにアーサー・ミラーの作品が僕のところにきたかと思いながら脚本を読んだのですが、ページをめくっていくうちに、「これはちょっと待てよ」と(笑)。正直なところ、なかなか1回読んだだけでは理解しきれない作品でしたが、それぞれの登場人物が何を伝えようとしているんだと思いながら2回目に読んだときに、「人間とは何か」を描いているんだなと感じました。状況によって、保身に走る人もいれば、裏切る人もいる。まさに「るつぼ」。でも、それは「人間のるつぼ」というよりも「感情のるつぼ」なんだなという印象を受けました。

松崎 今、先輩が言った通りだと思います。ただ、なぜ僕なのか。10年前に別のキャストの方たちで上演されていましたが、当時、僕が演じる役を溝端淳平くんが演じていたんです。なので「なぜ松崎なんですか?」と、何回もマネジャーさんに確認しました。本当に誰が僕をキャスティングしてくれたのか聞きたいです(笑)。でも、今回、坂本さんとこうしてがっつりお仕事をするのが初めてなので、とても光栄に思っています。もちろんコンサートなどではご一緒させていただいていますが、こうして1つの作品にともに向き合うことできっと学ぶものがたくさんあると思うので、坂本さんからどんどん盗んでいきたいと思います。僕はこれまでコメディーが多かったので、作品的にも今までにない経験です。なので、このお話をどう体現して、どう自分の感覚やこれまで学んだことをぶつけられるか楽しみにしています。

-坂本さんのオフィシャルコメントで「人間の葛藤、信念、弱さを描いている」とありましたが、そうしたテーマは現代にも共通するものがありますね。

坂本 そうですね、現代に置き換えても何も変わらないのではないかと思います。集団心理の恐ろしさをうまく描いた作品です。周りの人の意見に流されてしまうこともありますし、周りが「これがいい」と言ったことに対して「違う」と言ったら嫌われてしまうのではないかと思ってしまうこともありますよね。それが正しいのかどうかも意見が分かれるところだと思います。それはまさにこの作品に描かれていることで。僕の演じるプロクターは、真実を打ち明けて死を選ぶのか、うそをつき通して生きるのかという、究極の選択を迫られますが、そうした背中合わせの問いは今も昔もあるのではないかと思います。

松崎 当時は、携帯もSNSもない時代だったので、今よりもっとピリピリしていたのではないかと思います。このお話はアーサー・ミラーが実際に起こった事件をもとにして作り上げた作品なので、もしかしたらまだ描かれていないような事実もあるかもしれないと考えると、この時代の17世紀に生きていたら、僕はすぐに死んでいるんじゃないかなと思います(苦笑)。でも、もしかしたら、その中でも生きていくのかな。僕の演じるジョン・ヘイル牧師はプロクターと出会って、心が動かされて生きていきます。人の心は人でしか動かせないので、心が動く瞬間が描かれているというのは面白いなと思います。

-お二人は舞台初共演になりますが、それについてはお互いにどのように感じていますか。

坂本 マツ(松崎)が出ると聞いて、「あれ、『るつぼ』ってコントだったかな?」って(笑)。

松崎 あはは(笑)。

坂本 マツが楽しいショーに出ているのを見たことがありますが、こうした作品に出演する印象がなかったので、ものすごく楽しみです。何が飛び出してくるか、何を出してくれるのか、どう表現してくるのか、全くの未知数なので、僕もそこにうまく乗っていきたいです。

松崎 僕は(坂本が)東山(紀之)さんとご一緒していた「フランケンシュタイン」などで舞台で輝いている坂本さんを拝見していますし、昔はコンサートやライブにつかせてもらったのでそのときの顔も知っていますが、稽古でゼロからスタートをご一緒するのが初めてなので、また違った先輩の顔を見ることができるのがとても楽しみです。先日、ラジオでご一緒させてもらったときに、「るつぼ」のお話もさせていただいたのですが、やっぱりトニセンさんの3人でいるときの坂本さんと、表現者の坂本さんは違うので、今回、いろいろな姿を見させていただきたいと思っています。

坂本 やっぱりグループでいるのと違うよね。特にこういう芝居は。

松崎 そうですね。だからこそ、先ほども言ったようになんで僕なんだと思いますが(笑)。

坂本 もう1回、確認した方がいいんじゃない(笑)?

松崎 そうですよね(笑)。実は、最初に出したオフィシャルのコメントも皆さんがしっかりと書かれていたのに、僕だけ「トゥクストゥ~~~~ル~‼でおなじみのふぉ~ゆ~の松崎です」と書いてしまったんです。世間の声を調べてみたら、「松崎くんだけ異変が起きている」「松崎くんだけおかしい」と書かれてしまって(笑)。親からも「あれはふざけてるの?」って言われてしまいました。でも、これ、マイギャグなんです。すみません、先輩。

坂本 なるほど…。

松崎 なので、コンスタントにいろいろなところで言っているんです。

坂本 これは笑うところなの?

松崎 笑ってください! 稽古場では、今、ここに漂っているような空気になるのか、それとも真剣に応じている松崎がいるのか。どんな稽古場になるのか、乞うご期待です。でも本当に、楽しみです。僕にとって新しい1ページになるので。ずっと喜劇をやってきた僕が、今回、シリアスな物語に挑戦させていただくので、皆さんの胸を借りるつもりで飛び込んでいきたいと思います。

坂本 本当にどうなるんでしょうね。多分、本人も未知数なんだと思いますよ、自分という表現者が。僕自身もそうですが、どうなるか分からないからこそ、ここでこれから生まれるものも大きいのではないかという期待がありますね。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

井上祐貴「決して美しい人間関係を描いているわけではありませんが、リアルな描写が多いので、それが共感につながると思います」『男ともだち』【インタビュー】

映画2026年11月5日

 29歳のイラストレーター・神名(かんな・松岡茉優)は、仕事もプライベートも順調に見えるが、実際は人生に行き詰まりを感じ、不毛な恋愛に逃げる日々を過ごしていた。そんなある日、神名は大学時代の先輩である男ともだちのハセオ(成田凌)と7年ぶりに … 続きを読む

相葉雅紀「チームメイトの障がい者の皆さんから、ものすごい熱量を感じました」黒島結菜「相葉さんは本物の野球チームの監督のようでした」実際の障がい者たちとも作り上げた奇跡の物語『4アウト ─もう一度、プレイボール─』【インタビュー】

映画2026年11月3日

 東京に初めて結成された身体障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」創設の実話に基づく奇跡の物語『4アウト ─もう一度、プレイボール─』が、11月6日から全国公開となる。  戦力外通告を受け、失意の日々を送っていた元社会人野球選手の矢上雄一 … 続きを読む

山崎育三郎「一番、自分に近い存在」 ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が伝える「解釈力」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月31日

 山崎育三郎が主演するミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が2027年1月8日から上演される。本作は、ジョニー・デップ主演で2004年に公開された映画『Finding Neverland』(邦題『ネバーランド』)を元に作られたミュ … 続きを読む

【映画コラム】10月の公開映画から

映画2026年10月31日

「ディスクロージャー・デイ」(10月1日公開)★★★★ 宇宙人の存在を知った人類は…  地球外生命体を巡る秘密と、その開示に迫るスティーブン・スピルバーグ監督のSFサスペンス。「未知との遭遇」から約50年。宇宙からの来訪者を描いてきた監督が … 続きを読む

柳楽優弥「川栄さんと真剣に作品に向き合ってきた」川栄李奈「柳楽さんを信頼しています」共演4度目の2人が伝説的作品に挑む『RYUJI 竜二』【インタビュー】

映画2026年10月30日

 1983年に公開されるや否や観客の熱狂的な支持を集めた『竜二』。直後に主演・脚本の金子正次が急逝したことも重なり、伝説的作品として時代を超えて語り継がれてきた。その伝説が、新たに『RYUJI 竜二』として令和の現代によみがえる(10/30 … 続きを読む

page top