【インタビュー】「荒野のピンカートン探偵社」DEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ) 「これからも国境に関係なく仕事をしていきたい」

2015年12月16日 / 12:13

 NHK連続テレビ小説「あさが来た」の五代友厚役で人気急上昇中の俳優DEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)が、全米デビューしたテレビドラマ「荒野のピンカートン探偵社」のDVDが2016年1月に発売される。本作は1860年代の米カンザスを舞台に、アメリカ最古の探偵社「ピンカートン社」の活躍を描いた西部劇。ディーンは、ピンカートン親子と科学調査を得意とする女性探偵の3人と共に事件を追う、武術の達人ケンジ・ハラダを演じている。DEANが撮影エピソードや俳優デビュー10周年を迎えた心境を語った。

 

俳優デビュー10周年を迎えたDEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)

俳優デビュー10周年を迎えたDEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)

―本作で全米デビューを果たしましたが、どういう経緯で出演が決まったのか教えてください。

 もともとアジア人をキャスティングしようと思っていたようで、プロデューサーの方が2時間ぐらいオーディションのような面接試験をしてくれて、それで決まった感じです。

―選ばれた決め手は何だったと思いますか?

 それは僕には分からないのですが、いろいろな人種の人がいて長丁場の撮影となる中、ちゃんとコミュニケーションが取れるかどうかを見ていたと思います。これまで僕がやってきた仕事の資料は事前にスタッフにわたっていたと思うので、プロの俳優としてクルーと一緒に楽しい日々が過ごせるのか、そういうところを見ていたのではないかと思います。

―西部劇には思い入れなどはありましたか。

 西部劇といえば三船敏郎さんやアラン・ドロンが出演した『レッド・サン』のイメージが強いですね。そもそもケンジも三船さんの役に対するちょっとしたオマージュなのかなと勝手に思っていました。

―そのケンジ・ハラダを演じた感想はどうでした。

  最初と最後ではキャラが違ったので、こういう人だったのかと思いながら演じられて楽しかったです。最初は殺された父親の復讐(ふくしゅう)を果たすためにアメリカにやってくる、バックグラウンドがはっきりとした侍のイメージでしたが、後半は意外とファンキーでちゃめっ気もあって。最初は3~4エピソードに出演する予定でしたが、登場した第4話の反応が良くて倍の7エピソードに増えました。クルーのみんなが僕の力が発揮できるような場面を作ってくれたおかげです。感謝しています。

―後半は女性からモテていましたが、あの設定は最初からですか。

 いや、初めはなかったと思います(笑)。途中からそういうふうになっていきました。割とプレーボーイで、最初はキスシーンもあって、「ケンジやるなー」と思っていたけど、さすがに時代背景を考慮して途中で変わりました。最初は結構イケイケな感じでした(笑)。

―アクションも披露していましたね。

  アクションは中華圏で仕事をしていたころからずっとやっていましたし、個人的にマーシャルアーツやボクシングなどもやっているので好きです。

―今までさまざまな国の作品に出演されて、苦労されたと思いますが、一番仕事がしやすかったのはどこですか。

  こればっかりは慣れですね。慣れてしまえばどこでもできますし、自分は毎回違う場所や環境、スタッフの方たちと仕事をしてきたので、自分で選べるとしたら逆に迷ってしまいます(笑)。ただ、クオリティーを高めるという意味で見た場合、北米が使っているユニオンシステムが一番いいと思います。気力や体力に無理が掛からないので、演者もスタッフもより集中力が保てるし、アートやクリエイティブが最優先されるスタイルなので、仕事をするには理想的な環境です。

―「あさが来た」や「探偵の探偵」など日本の作品にも出演されていますが、海外の現場との違いは感じましたか。

  日本の方が編集に送るフッテージ数(未編集の映像)が少ないので、現場で使える物を厳選する印象を受けました。自分が知っている範囲では中華圏も北米も多めに撮影して編集に伸びしろを残す印象がありますが、日本は使う場所が決まっていてそこがOKだったら次の撮影、みたいな。効率的で緊張感は一番高まります。日本ではそういう違いを感じました。

―今年で俳優デビュー10周年を迎えられましたが、今後の抱負など教えてください。

 引き続き国境に関係なく仕事をしていけたらと思いますが、家族に2~3カ月に1回しか会えないのはどうにかしないと、という思いもあり、どこかに定住したい気持ちもあります。でも、仕事で縁があればどこへでも飛んで行きたいです。一つの場所で活動するのもいいと思いますが、自分は最初からそうではなかったし、それが自分の命題かな。後は、お世話になった人たちが世界のいろいろな所にいるので、映画や音楽を通してお礼参りをしたいですね。

―「あさが来た」で日本でも一気にお茶の間で知られることになりましたが、人気の実感はありますか。

 おばあちゃんが喜んでくれるのはやっぱりうれしいです。それにNHKは日本以外でも見られるので、今までほかの国で応援してくださった方に届くのもすごくうれしいですね。

取材&テキスト:中村好伸

武術の達人ケンジ・ハラダを演じる

武術の達人ケンジ・ハラダを演じる

 

荒野のピンカートン探偵社_仮ジャケ海外ドラマ「荒野のピンカートン探偵社」
DVD‐BOXIはアミューズソフトより2016年1月13日に発売。価格は1万2000円(税抜)。DVD‐BOXⅡは2016年2月3日に発売。価格は1万円(税抜)。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開)  大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。  全員での内定獲得 … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

Willfriends

page top