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映画『世界から猫が消えたなら』完成報告会が20日、東京都内で行われ、主演を務める佐藤健、永井聡監督、原作者の川村元気氏ほかが出席した。
一人暮らしのために実家を出るまでの17年間、ずっと猫のいる家庭で育ったという佐藤は、「もし世界に猫がいなかったら、今とはまったく違った人格になっているのではないかと思います」と思い入れを語り、「素晴らしい映画ができあがり、僕のキャリアとしても勝たねばならない勝負作となりました」と熱い意気込みを見せた。
川村氏はこれまで映画プロデューサーとして数々の作品に携わっていることから「映画で表現できることと小説で表現できることは違う」と気付いたことをもとに原作を執筆したといい、「映画になることをまったく想定しないで書いたものがこういう形になって正直戸惑っているのですが、素晴らしい映画にしてくれたと思って感無量です」と喜んだ。
キャスティングについては川村氏が「シリアスとコミカルを両方できる俳優を想像したとき、佐藤健くんしか思い当たらなかった」とラブコールを送った。以前に原作の小説を読んでいたという佐藤は「主人公は魅力的だけど、映画化されても自分(の役)じゃないなと、若干残念に思いながら読んでいた」と、自身にとっては驚きのオファーだったと明かした。
劇中では内向的な“僕”と高圧的な“悪魔”という二役に初挑戦しており、「すごく難しい役であることは明らかなので、チャンスとピンチが同時に来たと思いました」と振り返った。「二役やる時って、俳優はやりたがりすぎちゃうんですよ。もし監督に、好きにやっていいよと野放しにされていたら、ひどい映画になっていたと思う」と苦笑交じりに安堵(あんど)の表情を浮かべた。
“悪魔”役では「悪魔は特殊メークでしょう?と監督に言ったら『そういう感じじゃないんですよね』とすごく引かれた」と振り返った。その結果、特殊メークで指を1.5センチほど伸ばすという程度に落ち着いたといい、「特殊メークがすごくしたかったんだけど、どんどん削られていって最後に指だけ残った。でも恥ずかしいので、指の話は隠すことにします」と控えめに語った。
また、かつての恋人役として共演した宮崎あおいについて現場でのエピソードを問われると「あおいちゃんの待ち時間の過ごし方ですが、僕と2人で待合室にいる時の95%、彼女は縫い物をしています。それがすごく上手で、プロレベルでいろいろ作っていました。しゃべりかけるなということですかね」と笑いを誘った。
映画は5月14日から全国東宝系にてロードショー。
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