【インタビュー】「価値観激変の時代に備えよ」 書き下ろし舞台「時代に流されろ!」を再演するマンボウやしろ

2015年3月23日 / 15:58

 2011年に解散した人気お笑いコンビ「カリカ」での活動を経て、ピン芸人となったマンボウやしろ。カリカ時代のシュールな感覚はそのままに、ラジオ、コント、演劇と活躍の場を広げている。昨年やしろ自らが書き下ろし、演出も担当した舞台「時代に流されろ!」が、27日から都内の本多劇場で再演される。舞台は、科学技術の発達が加速した未来社会で、急激な変化に巻き込まれる人々や、逆行しようとあらがう人々の悲喜こもごもを描く。演出家、劇作家としても注目されるやしろに話を聞いた。

 

「時代に流されろ!」の演出について話すマンボウやしろ

-再演に際して何か変えたところはありますか。

 お客さんは初演とはかなり違う印象を受けると思います。プロの役者さんにテーマやメッセージをより明確に伝えてもらうためにお笑いの要素を減らしました。笑いに時間を費やすよりも、登場人物のバックボーンなどに費やした方がいいと考えました。

-舞台のテーマに変化はありましたか。

 それはありませんが、ここ10年、20年の間に価値観が大きく変わる時代が来るということを描いています。もっと先に起こるはずだったことが予想以上に早く起きる可能性がある。それに備えるための心の準備が必要だということを伝えられたらと思っています。

 -若い役者さんを迎えてどんな雰囲気ですか。

 一緒に飲みに行ったりするうちに、チャラいと思っていた人が昔かたぎだったり、芯が強そうだと思った人が逆に柔らかい感じだったりしたので、最初に書いた役の中に役者本人の性格を反映させました。そうすることで役に深みが生まれました。

-小演劇の聖地、本多劇場での上演ですね。

 13~14年前にコントで本多劇場の舞台に立った時に、すごい滑り方をしたんです。ようやくリベンジする機会を頂きました。

-コントとお芝居を書くときは脳を使い分けているのですか。

 そうですね。コントはお笑いをベースに考えますけど、お芝居は俯瞰で考えたり、登場人物の気持ちになって考えたり、アプローチは全然違います。

-役者さんを演出するのは大変ですか。

  ええ。何かを要求したとき、それに対する表現力はやはりすごいです。例えば芸人は泣けと言ったら悲しくないのに泣きますが、役者は気持ちから作るので、それ相応の伝え方が必要です。心理から説明して役者に委ねるわけです。そんなふうにして役者と一緒に芝居を作るのは楽しいです。

-今後やってみたいことは?

 過去に書いた話や今考えていることをアウトプットしようと思っています。ある番組で「2016年にサイコロを振って1が出なければ芸人を辞める」と約束してしまったので、その場合に備えて、書き物で食えるようになっておかないと(笑)。

-FMラジオのパーソナリティーも長くなりましたね。

  12年までは夜、13年からは夕方にやっています。今年で帯番組を担当して10年になりますが、2時間の番組の中で物語のように抑揚をつけることを考えています。そういうことを考えながらしゃべっているのはすごく性に合っていると思います。演劇やコントの訓練にもなっています。

-舞台「時代に流されろ!」を、お客さんにどう見てほしいですか。

 人の価値観はなかなか変えられないと思うけど、半ば強制的に変えさせられる日が来ると思っています。舞台を見てドキッとしてほしいですね。

 舞台「時代に流されろ!」は27日から29日まで都内、本多劇場で上演。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ふじきみつ彦「トキとヘブンが本当に生きていた気がします」連続テレビ小説「ばけばけ」脚本家が物語を振り返る【インタビュー】

ドラマ2026年3月16日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」も第24週を迎え、いよいよ残り2週となった。著書『怪談』で知られる小泉八雲(=ラフカディオ・ハーン)の妻・セツをモデルに、主人公・松野トキ(髙石あかり)と夫レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ) … 続きを読む

『罪人たち』と『ワン・バトル・アフター・アナザー』が対決!『国宝』ほか日本にゆかりの作品も。授賞式直前!第98回アカデミー賞を占う【コラム】

映画2026年3月13日

 3月15日(日本時間3月16日(月))、映画の祭典・第98回アカデミー賞授賞式が、アメリカのロサンゼルスで開催される。今年は人種差別に対する風刺を交えたアクションホラー『罪人たち』が16ノミネートで、最多記録を更新したことが大きな話題とな … 続きを読む

LiLiCo「ドキュメンタリーは本気なんです」「TBSドキュメンタリー映画祭2026」【インタビュー】

映画2026年3月12日

 歴史的事件から、今起きている社会の動き、市井の人々の日常、注目のカルチャーまで、TBSテレビおよびJNN系列局の記者・ディレクターたちが、世に送り出してきたドキュメンタリーを集めた「TBSドキュメンタリー映画祭2026」が、3月13日から … 続きを読む

【インタビュー】「ルーツを大切にする心を知って」、台湾原住民シンガーのサウヤーリさんが大阪でパフォーマンス

音楽2026年3月11日

 台湾のグラミー賞「金曲奨」をはじめ台湾国内の主要3音楽賞を受賞したアルバム『VAIVAIK 尋走』。いま、アジアの音楽シーンで注目を集めるアーティストの一人が、台湾原住民族・パイワン族のシンガー、サウヤーリさんだ。沖縄と台湾を一つの海域と … 続きを読む

「再会」“万季子”井上真央の過酷な過去が判明 「ラストの4人の友情と愛情に泣いた」「真犯人はあの人」

ドラマ2026年3月11日

 竹内涼真が主演するドラマ「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)の第8話が、10日に放送された。(※以下、ネタバレを含みます)  本作は、横関大氏の推理小説『再会』をドラマ化。刑事・飛奈淳一(竹内)が、殺人事件の容疑者となった … 続きを読む

page top