【インタビュー】「笑ゥせぇるすまん」THE STAGE 佐藤流司「令和の時代に喪黒福造を演じたらこうなるというものを作り上げられたら」

2020年3月27日 / 12:00

 「忍者ハットリくん」や「怪物くん」などで知られる藤子不二雄(A)原作のブラックユーモア漫画『笑ゥせぇるすまん』が舞台化され、4月23日から上演される。主人公の喪黒福造を演じるのは、佐藤流司。全身黒づくめで不気味な雰囲気を漂わせる喪黒福造を佐藤がどう演じるのか。作品への思いや、役作りについて聞いた。

喪黒福造役の佐藤流司(ヘアメイク:藏本優花/スタイリスト:吉田ナオキ)

-出演が決まったお気持ちから聞かせてください。

 この作品のほかにも、幾つかの案があったのですが、俺はもうこの作品一択でした。「今はこれをやれ」という神の啓示だと思ったほど、明らかに異質な企画だったんです(笑)。なので、これしかないと一発で決めましたし、出たくて仕方なかったです。

-反響も大きかったのではないですか。

 ええ、賛否両論ですね(笑)。でも、自分でも批判もあるというのは覚悟していたので、そうだろうなという感じではあります。ビジュアル的に全く似ていないので。

-「喪黒福造をスタイリッシュに演じる」が、本作のキーワードになっていますが、それについてはいかがですか。

 似ていないからこそ、「スタイリッシュ」という言葉がすごく大事になってくると思います。ビジュアル撮影では、あえて4キロ体を絞って臨んで、「スタイリッシュ」な見た目を意識しています。令和の時代に喪黒福造を演じたらこうなるというものを作り上げられたらいいな、と。まあ、ビジュアルが発表されたら、もう1回、賛否両論があるんだろうなという覚悟ではいますが(笑)。

-イメージが違うという言葉に逆に燃えたりもしますか。

 イメージと違うことは分かっていてお話を請けているので、それは当然だなとは思います。でも、見に来ていただければ、その意見を覆す自信はあります。

-「令和の時代に喪黒福造をやったらこうなる」という言葉がありましたが、令和らしさが出る作品になりそうですか。

 原作にはブラックなストーリーも多く、令和にはやってはいけない作品になると思うんです。だからこそ、今やるべきというか…、矛盾していますが。今の時代だからこそ、ぜひ見てほしい作品になると思います。

-今回、2.5次元においては、久しぶりに新しいキャラクターを演じることになります。これまで演じたミュージカル『刀剣乱舞』の加州清光役や、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」のうちはサスケ役などは、徹底して役を研究し、どっぷりと成り切る役作りをしていたと思いますが、今回はどのように作っていく予定ですか。

 今回もスタンスは変えず、どこまで似せられるかということに尽きます。ビジュアルではスタイリッシュを意識していますが、お芝居自体は原作に忠実にやりたいと思っています。今、アニメも改めて見返しているのですが、アニメの声優さんは句読点がない、独特な話し方をしているんですよ。変なタイミングで会話が止まったり、止めるべきときに止まっていなかったりするので、そういった話し方も再現できたらいいなと思っています。

-近年、映像作品やオリジナルストーリーの舞台作品など、2.5次元以外の作品にも多数出演されていますが、それらの現場を経験し、役作りに変化はありましたか。

 ないです。どの現場にいってもスタンスは変えずにやっています。オリジナル作品と2.5次元の違いというものも、それほど大きくは感じていなくて、単純に正解があるかないかだと思っています。2.5次元は正解があるから、それと違うお芝居作りをしてはいけないので、ある種の縛りはあると思いますが。

-原作はすでに読まれているということですが、原作で印象に残っているシーンは?

 やはり「ドーーン!!」は、喪黒福造らしさが出るシーンでもあるので印象に残っていますね。今年は、この舞台を経て、「ドーーン!!」で流行語大賞を取れるんじゃないかなって思っているので、それを狙っていこうと思います(笑)。

-先ほどもビジュアル撮影のお話がありましたが、撮影はいかがでしたか。

 スムーズにいったと思います。喪黒福造は口元が大事なので、口元に重点を置いての撮影というのは新鮮でした。口角の上がり具合や、歯を見せるか見せないかとか、細かい点までこだわって撮影しています。

-なるほど、口元がポイントなんですね。でも、そうすると、舞台では表現が難しそうですね。

 難しいですね。なので、ベタベタに口紅を塗ろうかなと思います(笑)。

-演出を担当する小林顕作さんとは、學蘭歌劇『帝一の國』、劇場版『パタリロ!』でも一緒でした。小林さんの印象は?

 ぶっ飛んでいる人で(笑)、大好きです。大人たちと一緒に悪ふざけをしていたら、いつの間にか作品が完成していたという、本当に楽しい現場でした。學蘭歌劇『帝一の國』も、顕作さんや(主演の)木村了くんの悪ふざけがとんでもなく盛り込まれていて、みんなの悪ふざけで出来上がっています(笑)。今回も、ぶっ飛んだキャストの方が多いと聞いたので、ぶっ飛んでいる作品になると思います。

 
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