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入野 基本的にはもう完成した絵や音があるので、吹き替えはそこがとても難しいと思います。台本に書いてあることに、できるだけシンプルに向き合う。その中でディレクションから来る言葉などに対応していくことがメインとなります。あまり自分の中で答えを探そうとし過ぎると、迷走してしまいます。だから僕の場合は、できるだけシンプルにと思っていました。
田村 監督から「ネッサローズはずっと我慢している」と言われました。でも、ただそこを強調し過ぎてしまうと、逆に我慢に見えないところが、収録の時に苦戦したところでした。だから、おなかの中に苦しい思いをずっと持ち続けて、とにかく集中することを心掛けました。今思い出しても、ちょっと下腹に力が入るような感じがします。でも楽しかったです。
入野 何でもできる人だと思いました。吹き替えるに当たって、経歴を調べたりしました。歌えて踊れて芝居もできてと、できることが本当に幅広いので憧れます。彼の吹き替えができて、うれしかったです。
田村 ミュージカルではネッサローズが歩くシーンがあるんですけど、マリッサさんは、実際に車いすで生活をしている方なので、この映画ではどうするのだろうとすごく気になりました。ところが、いかにも映画らしい設定になっていたので、そう来たかと思いました。
田村 差別的なことがすごく描かれていますけれど、それを動物の姿やファンタジーを通して表現してくれるところが魅力だと思います。楽しみながら見られるけれど、見る人に問い掛けることもできるすごいエンタメだと思います。
入野 社会を映したようないろんなものがテーマとして渦巻いている。それを、教訓や説教のようなことではなく、物語として、すごくうまく描いている。こうありたいという理想や、勇気を持たせてもらえるようなものに昇華されていると感じます。
入野 見どころを挙げればきりがないのですが、曲がいいし映像も美しい。とても丁寧に描かれているので、この映画のどこかに自分自身を投影できるキャラクターが必ずいると思います。いろんなキャラクターを見て、いろんなことを感じられる作品になっていることが、長く上演されて、こうして映画化もされた理由だと思うので、たくさんの人に見ていただきたいと思います。
田村 前作から時間が空いての続編ということで、その間、私たちの生活でも時間が流れたので、一緒に時間を過ごした上で、映画の世界にのめり込めるような感覚がありました。この作品は、学生時代を共に過ごして、友達として大人になっていく2人の成長物語でもありますが、前作で幸せだった風景や時間がしっかり描かれていたからこそ、今回の苦しさ、切なさが痛いほど心に染みます。メッセージ性もあるし、今回の方がジーンとするシーンがたくさんあると思うので、覚悟して見ていただきたいと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)

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