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地元の方たちが「ラーメン食べたか」ってすごく気にしてくれて。大牟田にいる間においしいとんこつラーメンを制覇してほしいみたいでした。臭みと香りが強ければ強いほど濃いらしいんですけど、段階を踏んで、どんどん臭みの強いお店にチャレンジしていくというのを、街の方たちのサポートを受けながらやりました。そんな感じで、その街のいいものに触れるからこそ、映画の背景が自分の中で深いものになっていったところもあります。これが東京の自分の家に帰っての生活だったら、全然違ったと思いますし、もちろん、大牟田の街を感じながらというのも大事なんですけど、その場所に泊まり込みの撮影だと、映画の世界に集中できます。すごく没頭できたのも環境的には良かったと思います。
特に意識はしませんが、今回は監督の大牟田への思い入れが強くて、街の人との関係もできていたので、本当にやりやすい環境で、大牟田の方たちにサポートしていただきながら撮影ができました。今までも地方の街を舞台にした映画に出たことはありましたが、ここまでがっつりとというのは初めてだったので、すごくいい経験をさせてもらったと思います。私は東京の出身なので故郷はないんです。今回、映画の撮影で大牟田に行ったのは2回目でしたが、とても温かく迎え入れてくださって、炭鉱の歴史のお話が聞けたり、その街ならではの受け継がれてきたもの、今新たに変わろうとしている部分、そういうところも見えてきて、映画を作る上でもそこに住み込めたのはすごく良かったんですけど、こんなに長期間どこかの街で生活するということもなかなかないので、すごく貴重な経験をさせてもらったと思いました。
福山さんはとても映画に対して熱い方で、ある意味裏の座長みたいな感じで、同世代ですがすごく引っ張ってもらったという印象があります。映画に対する向き合い方などを間近で見させてもらって、すごく影響を受けたと思いますし、役柄と真逆だなと思いました。陣内さんはイメージ通りの方で、何でも笑い飛ばしてくださって、小さなことは気にしないみたいな型破りな感じでした。それにすごく救われました。また、とても正直な方で、いいことはいい悪いことは悪いと言ってくださるので、大先輩ですけど、こちらも気負わずに、この映画の中の役の関係みたいな感じで接することができました。それはすごくありがたかったです。
抱えている問題の内容や大小は人それぞれ違うと思いますが、そうした問題と向き合ってどう生きていくかみたいなことは、なかなか自分だけでは答えが出なかったりしますよね。この映画は、それについての答えを出すというよりも、少し心が軽くなるような言葉や、気持ちを切り替えて生きていくためのヒントが、登場人物からもらえるのではないかと思います。
ちょっと心が温まったり軽くなったりするような映画だと思います。私自身、観客の1人としてそういう気持ちになったので、ぜひ多くの方に見てもらえたらと思います。一応、主演を務めさせてもらったので、1人でも多くの方に届けばいいなと思いながら宣伝活動を頑張っています。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2025「オオムタアツシの青春」製作委員会
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