エンターテインメント・ウェブマガジン
初めてのことだったので、付いていくのに必死な部分もありましたし、基本的には全てが難しかったのですが、それと同じぐらいの楽しさもありました。自分が当てた声を見たり聞いたりする時間が一番楽しかったです。こんな風になるんだって。ちゃんとリップが合っていて、映像と重なっていて、ヒックが僕の声で話しているように聞こえる。リンクしたなって思った瞬間が一番うれしくて。でもそれがちゃんとできていなかったら落ち込むみたいな。いろんな感情が行ったり来たりしていました。
ヒックを演じたメイソン・テムズさんの動きに共感しました。もし僕がヒックを演じてもこういう選択をしそうだという表情筋の動きなどがあって驚きました。だからヒックというキャラクターに共感をするというよりも、テムズさんに対して「ここでこの顔を持ってくるのか。分かる」みたいな共感がありました。彼が演じた役に声を当てる、日本語で命を吹き込むという作業なので、まず彼のお芝居を好きになる、彼の表現を好きになる、彼のアプローチを好きになるというところから入っていけば、自然とヒックも好きになれるのかなと思いました。
映像はため息がでるほど素晴らしいし、スケール感にも圧倒されます。僕はIMAXで字幕版を見させていただいたんですけど、とんでもない作品の吹き替えをやったんだなと思いました。見どころは、ヒックが成長する姿とか、アスティー(ニコ・パーカー)との恋愛模様もそうだし、お父さん(ジェラルド・バトラー)との関係性の変化もそうだし、特にドラゴンとのシーンは圧巻です。あとはジョン・パウエルさんの音楽がすごく好きです。大まかなところはアニメ版と変わらないので、原作アニメファンの方も絶対に楽しめると思うし、アニメのカットをそのまま実写化してる部分もあるので、初めて見る人も楽しめるし、昔から好きな人もいろんな記憶がよみがえってくるのかなと思います。世界中でメガヒットをしているので、日本でも「トップに追いつけ」となってほしいです。
改めて「ヒックとドラゴン」の魅力に気付いてもらいたいです。本当にすごいスケール感で描かれてるし、現実からちょっと離れて非現実的な体験ができるドラゴンライドのシーンも見どころです。それに加えて、人間ドラマの部分がしっかりとしていて、キャラクターの一人一人の感情が繊細に描かれてるからこそ、そこにちゃんと感情移入ができるところが素晴らしいと思います。そういう人間ドラマの部分もぜひ楽しんでもらえたらと思います。それからこの映画は絶対に映画館で見てほしいです。特に空を飛ぶシーンは映画館じゃないと駄目です。僕ももう1回必ずIMAXで見ようと思っています。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)025 UNIVERSAL PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
-雰囲気のいい現場だったようですね。 中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問が … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
―確かにその通りですね(笑)。 ただ、大半は史実通りですが、(小田)新之助(井之脇海)とふく(=うつせみ/小野花梨)ととよ坊の一家、序盤に登場した蔦重の恩人の花魁・朝顔(愛希れいか)など、一部に私が創作したオリジナルキャラもいます。と … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年11月30日
今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む