濵田崇裕、「歌喜劇/~蘇る市場三郎 冥土の恋~」は「僕の代表作だと胸を張って言える」

2025年6月16日 / 12:00

-濵田さんは歌がお得意ですが、アカペラは大変でしたか。

 (普段の歌唱と)全然違います。アカペラは本当に難しい。出だしの音を間違えた瞬間に、もうハモれないんです。しかも、僕は舞台袖で音程を確認する時間もないので。その難しさがこの歌喜劇の肝だと思います。今回、7年ぶりのアカペラなので、もう1回トレーニングし直しです。みんなで手をつないで発声と歌の練習をします。カンパニーの仲が悪かったら成立しないんですよ。

-濵田さんから見た市場三郎というキャラクターの魅力を教えてください。

 三郎はとんでもなく不器用で、いちずでまっすぐな男です。どんくさくもあり、まっすぐすぎるがゆえに痛い目に遭う。「正直者がばかを見る」というのはこのことだと思います。ですが、こうなりたいなと思わせてくれる古き良き男です。

-三郎は当て書きだそうですが、ご自身と似ていると思いますか。

 似ているとは思わないです。僕も変ですが、ここまで変じゃないと自分では思っていますから。ただ、うれしいことに(福田)転球さんたちは「濵ちゃんしか演じられない」とは言ってくれます。

-今回の台本を読んだ感想は?

 面白かったです。ストーリーも想像していなかった展開になっています。これまでのシリーズを見てくれている人には分かると思いますが、“ホットパンツの妖精”が今回も登場します。“ホットパンツの妖精”が現れると恋が始まるので、今回はどのタイミングで出るのかも楽しみにしてもらいたいと思います。

-濵田さんはドラマやバラエティーなどさまざまな活動をされていますが、その中で舞台でお芝居することの魅力はどんなところにあると感じていますか。

 舞台は“ワンカメ”ですが、お客さんが好きなところを見ることができるというところが魅力だと思います。「この人をずっと見ていたい」「2回目だから、気になっているところを見たい」とそれぞれ見たいところを見られるのが舞台の良さかなと。それから、演じる側も生身で演じているので、その時々で体調も違うし、時にはかんでしまったりもするし、そうした生感が良いのかなと思います。その時によって、お客さんの笑いのタイミングも変わるんですよ。僕たちとしては定番の笑いが欲しいので、勘弁していただきたいですが(笑)、同じようにやっても違います。

-最後に、公演を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

 シリーズ1作目の「温泉宿の恋」から見てくださっているファンの皆さんにとっては、とてつもないレアキャラが登場するなど、面白いことが盛りだくさんの作品になっていると思います。「グアムの恋」、そして今回の「冥土の恋」から見てくださる方もすぐに付いてこられる物語なので、安心してご覧ください。慰安旅行に行く先で起こる出来事を描いたシンプルなストーリーです。見終わったとき、何か心に残る思いがあったら、それを大切にしてくださったらうれしいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 「歌喜劇/~蘇る市場三郎 冥土の恋~」は、6月30日~7月27日に都内・東京グローブ座、8月1日~10日に京都劇場で上演。

「歌喜劇/~蘇る市場三郎 冥土の恋~」

 

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