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「アンパンマンミュージアム」には二度伺いました。どちらの日も親子連れでいっぱいで、改めて『アンパンマン』という作品が幅広い世代に愛されていることを知り、「あんぱん」もそういう作品になれたら…と思いました。やなせさんの作品の貯蔵庫も見学させていただきましたが、スタッフの方が楽しそうに案内してくださる様子からも、やなせさんのお人柄がうかがえ、演じる上で参考になりました。
最初は土佐ことば指導の先生が、練習用の音声データを用意してくださったのですが、それを聴くだけでは不十分と感じ、1カ月くらい経った頃から、撮影の合間にも先生のご指導を受けるようにしました。そのうち、徐々に耳が慣れ、理解できるようになっていきました。ただ、今でも発音の難しい言葉はあるので、そんなときは北村さんに相談すると、すぐに似た発音の単語を探してくれるので、それを参考に練習しています。嵩を演じる北村さんには、土佐ことばのせりふはないので、申し訳ないと思いつつ…(苦笑)。北村さんの優しさに、いつも助けられています。
今回は、幼なじみから夫婦になるという距離の近い関係なので、相手役が北村さんで安心しています。北村さんは現場を俯瞰(ふかん)で見ていて、困っている人がいると、すぐに助けてくださるんです。その点は嵩と通じるものがありますし、そういう北村さんが一緒だからこそ、私も肩の力を抜いて、リラックスして演じることができています。お芝居に関しても、2人で細かい話をすることはありませんが、北村さんにはどんな球を投げても受け止めてくれるという信頼感があるので、私も変に遠慮することなく、のびのびとお芝居をさせていただいています。
のぶと嵩のように、いろんなものを乗り越えて分かり合える関係は、とてもうらやましいです。第1週で、のぶがおとなしい嵩に「うちが守っちゃる」と言葉をかける場面があるので、最初はのぶが引っ張っていくようにも感じますが、実はそれほど一方通行という関係でもないんです。嵩がいるからこそ、のぶが強くなれる部分もありますし、のぶが困ったときは、嵩がさりげなく手を差し伸べてくれることもあって。そんなふうに、性格は正反対でも支え合える関係はすてきだなと。
『アンパンマン』は、私も子どもの頃から大好きな作品で、『アンパンマンのマーチ』も、いつの間にか口ずさんでいたほどです。子どもの頃は内容について深く考えていたわけではありませんが、今回、演じていく中で、やなせさんが「生きる喜び」など、作品を通じていろんなことを伝えようとしていたことに気付かされました。そんなふうに、大人になってから見ると新たな視点で捉えることができますし、「子どもも大人と変わらない人間だから」と語ったやなせさんの言葉からも、子ども向けだからといって手を抜かなかった姿勢がうかがえ、改めて感銘を受けました。『アンパンマン』がこれほど長く、多くの方に愛される理由はそんなところにもあるのかなと思います。
半年間、毎朝多くの方がご覧になる作品の主人公を演じさせていただける喜びをかみ締めながら、責任感を持って臨みたいと思っています。この作品をどのように受け止めてくださるのか、期待に胸を膨らませつつ、少しでも皆さんの心を温かくできたら…と願っています。応援よろしくお願いします。
(取材・文/井上健一)

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