エンターテインメント・ウェブマガジン
ただ、途中から「いいよ」と褒められることが怖くなってきました。褒められるということは、自分の中にもスガンのような凶悪な部分があるのかも…と思え、それにどんどん慣れていく自分が怖いなと。
そうなんです。だから、毎日帰宅するたび、バラードのようなスローテンポの音楽を聴きながら30分くらい瞑想(めいそう)し、心のバランスを保っていました。
元々は、善良な役と悪役を交互に演じるつもりだったんです。でも、コロナ禍の影響でスケジュールがずれ込み、たまたま悪役が続いてしまって。「どうしよう」と思いましたが、作品をご覧になった皆さんが、一口に「悪役」といってもそれぞれのお芝居の微妙な違いに気付いてくださり、幅広い役を演じられると認めていただける機会になりました。そういう意味で、結果的には僕にとってプラスに作用しました。
ただ、スガンのような役は精神的にも肉体的にも大変なので、悪役はそろそろ控えたいところです(笑)。街中で、他の方がかっこいい役で気付いてもらえるようなときも、僕の場合、「あの悪役をやった人だ!」と言われてしまうんです。しかも、僕は悪役を何度もやっているので、そこで「どの役かな?」と考えてしまって(笑)。僕も決して悪い人間ではないので、そろそろ「いい人」と思われたいですね。
そうですね。ヘソンさんは人柄も魅力的で、いつも「ジュニョン、お疲れ」と声を掛けてくださるんです。かっこいいお姉さんのような方でした。ただ、力が強く、僕が顔をひっぱたかれるシーンは、ものすごく痛かったです。そのとき、シミンは猫のマスクを着けていたので、「男性の代役の方かな?」と思っていたら、マスクを外すとやっぱりヘソンさんで(笑)。僕を気遣ってくださったので、その場では「大丈夫です」と答えましたが、実際はとても痛くて、思わず「何か悪いことしたかな?」と、自分の行いを振り返ってしまいました(笑)。
台本をより的確に読み取り、お芝居に必要な部分をきちんと把握できるようになりました。実は今回、準備のため、台本をいつもより多く、50回以上読んだんです。そうしたら、「この部分はこんなふうにも演じられるな」といった感じで、いろんなお芝居を探ることが楽しくなってきました。それは、僕にとってすごく大きな収穫でした。
(取材・文/井上健一)
ドラマ2025年1月15日
-物語の舞台となる江戸時代中期については、どんな魅力を感じましたか。 自分が実際に生きたわけではないので、想像するしかありませんが、森下先生の作った蔦重が生きる世界としての江戸時代は、いい時代だと思います。不自由で理不尽なことも多いですが … 続きを読む
ドラマ2025年1月14日
-撮影で感じている、学園ものならではの面白さと難しさを教えてください。 みんな同世代なので、とにかくにぎやかです(笑)。もちろん、ある程度の年齢差はありますが、みんなタメ口で話していますし、高校生に戻ったかのようなくだらない話もしていて、 … 続きを読む
ドラマ2025年1月14日
-デビューしてから、現在、芝居について感じていることは? 悩んだりすることもありますし「大変だな」と思いつつも、芝居が好きかと問われれば「はい」と即答できるぐらい好きです。特に、共演する方と心が通じ合う瞬間が芝居中にありますが、その瞬間は … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年1月12日
佐藤流司が主演を務める舞台「私立探偵 濱マイク-遥かな時代の階段を-」が2月6日から上演される。本作は、映画監督・林海象による「私立探偵 濱マイク」シリーズを元にした作品で、2021年には「朗読劇『私立探偵 濱マイク』-我が人生最悪の時- … 続きを読む
映画2025年1月10日
『シンペイ 歌こそすべて』(1月10日公開) 明治末、信州から上京し、東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)に入学した中山晋平(中村橋之助)は、ピアノは上達しなかったが、幸田先生(酒井美紀)に演奏以外の才能を見いだされ、どうにか卒業する … 続きを読む