エンターテインメント・ウェブマガジン
そうですね。こんな感じかなというのはありました。でも、監督っぽい人をやろうという意識は全くなかったです。桐子は映画を撮りたい人で、それで監督になったというだけなんだと思っていたので。だから「監督ってこういう人だよね」という感じはなくて、ただ自分がやりたいことで頭の中を100パーセントいっぱいにしている人が、監督と言われているだけなんだと。だから別に何かを参考にしたわけではないし、監督も「桐子が私に似ているって思うところがあるかもしれないけれど、別にまねしなくていいからね」と言っていました。
今回は、監督以外の藝大の皆さんとも一緒に仕事をしましたが、もちろん年齢もバラバラだし、出身も違うんだけど、皆さんが一つのものを一生懸命作ることに集中してやっている感じがしました。だからエンディングが近づくに連れて、桐子的にも、個人的にも、みんなで一緒に頑張ったよねみたいな気持ちが湧いてきました。
おかげさまでロードムービーができました。それに関しては、自分で別の脚本を書いてみました。こんな映画にするんだみたいなものを。それを撮影前の準備段階として早織さんとも共有して、桐子はこういう作品を撮ろうとしていると自分で考えてみました。それが映画の中に生かされたかどうかは分からないけれど、自分の中に何かがあった方が演じやすいし、私と早織さんとの間にも共通の何かがあった方がいいと思ったので。
このタイトルは、ちょっと自虐的というか、マイナスっぽいと思われるかもしれませんが、そうではなくて、誰しも日々の生活があってそれぞれの毎日を進んでいますが、その進み方はさまざまで映画を撮るために必死に生きる桐子の進み方はこれなんだ、ということです。それは「他の人と違っていてもいいよ」という意味にもつながるのかなと思いました。
映画体験としてすごく楽しいと思います。普通は、誰もが「この映画はこの人の話なんだろうな」って分かるじゃないですか。でもこの映画は、予想とは全く違う世界を映すんです。実際、映画を見ていると、主人公がちゃんと真ん中にいて、そこにはすれ違う人がいて、受付をやっている人がいてみたいに、いろんな人が出てくるけど、彼らの話は始まらないですよね。けれどもこの映画は、予期せぬタイミングでカメラが全然違うところに付いていったり、急に全く知らない人が画面に入ってきたりもします。簡単に言えば、すごく自由だなと思っていて、自由に映像を撮れることを楽しんでいる作品だと思います。それは多分、監督やカメラマンをはじめ、現場のスタッフの皆がそういう気持ちを持っていたからだと思います。そこにある現実をただ映しているだけじゃない、映画だからできることみたいな自由さがすごく楽しいと思ったので、観客の皆さんにもそこを楽しんでほしいです。
(取材・文・写真/田中雄二)
(C)2023 東京藝術大学大学院映像研究科
舞台・ミュージカル2025年7月30日
-本作は、アーニャ・フォージャーを演じる子役たちも大きな見どころの一つです。今回の公演では、泉谷星奈さん、月野未羚さん、西山瑞桜さん、村方乃々佳さんのクワトロキャストで演じられます。 製作発表のあいさつもしっかりしていて、すごいですよね( … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月29日
-納得というのは、「Xがなぜそうした選択をしたのか?」という部分ですか。 小池 そうですね。(城戸たちが)どういう人間なのか追い求めてきた答えが流れないようにしたいです。ただ歌っただけで終わりたくない。 浦井 二幕の中盤までみんなで「Xはこ … 続きを読む
映画2025年7月28日
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(7月25日公開) マーベル・コミックス初のヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」(宇宙ミッション中に起きた事故で特殊能力を得た4人)の活躍を描くアクションエンターテインメント。過去にも … 続きを読む
ドラマ2025年7月27日
-その後の政言の切腹も印象的でした。 切腹のシーンは、晴れやかな気持ちで演じることができました。父が恨んでいた田沼家に一矢報いることもできたし、無理して出世することも、認知症の父の世話をする必要もなくなり、ようやくつらい人生を終えることが … 続きを読む
ドラマ2025年7月27日
-誰袖役の福原遥さんの印象はいかがでしたか。 花魁は、所作やせりふが独特なので、収録のたびに細かく指導が入るのですが、福原さんは常に瞬時に、的確に対応していくんです。とても器用な方だなと。その上、誰袖のシーンを収録する日は一日中、花魁の扮 … 続きを読む