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古川毅「誰かにとってのスターになれれば」 多くの困難があったコロナ禍を経て「飛躍の年」に【インタビュー】

 2015年にSUPER★DRAGONのメンバーとしてデビュー、2018年にはドラマ「兄友」で俳優デビューを果たし、アーティストとして、俳優として活動する古川毅。ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」、映画『犬鳴村』など話題作にも多数出演し、注目を集めている。1月4日からスタートしたBS-TBSドラマ「夫婦の秘密」には、主人公・穂花の夫の親友・栗原蒼太役で出演。古川に、ドラマの見どころや撮影現場でのエピソード、さらにはグループ活動や俳優業への思いなどを聞いた。

古川毅 (C)エンタメOVO

ー「夫婦の秘密」で演じる蒼太は、豊田裕大さんが演じる野山雅道の親友ということですが、どのような役どころになりますか。

 雅道の親友としてさまざまな場面に登場し、雅道のパーソナルな部分に絡んでいきます。雅道の過去の物語を知る唯一の存在なので、少し特殊な立ち位置ではあるのかなと思います。

ー蒼太を演じる上では、どんなところを意識しましたか。

 解釈をするのが難しい役でしたので大変ではありましたね。人間的な魅力がある人物ですが、まだ自分のことを明かせないでいる。実はすごくピュアで優しいところもあります。回を追うごとに、さまざまな表情や一面が見られると思いますが、それをどう受け取って楽しんでいただくかは、視聴者の皆さん次第。理解できないところもあると思いますが、自分と照らし合わせて楽しんでいただけるといいなと思います。

ーそうすると、蒼太は、古川さんとしてはあまり共感はできない人物でしたか。

 共感できるところもありましたよ。親友である雅道を支えたい、助けたいという気持ちは僕も分かります。雅道を演じた豊田さん、“とよぴー”と呼んでいるのですが(笑)。とよぴーは、すごくストイックに悩みながら演じていたので、その向き合い方がカッコよくて、同世代としてすごく刺激を受けました。親友役を演じて、芝居でぶつかったり、助け合ったりできる人と出会ったのは初めてだったので、僕にとって大きな出会いになりましたし、僕もそれを全うしたいと思っていました。なので、その気持ちは蒼太ともリンクしていたかなと思います。

古川毅 (C)エンタメOVO

ー先ほど、蒼太に人間的な魅力があると話していましたが、それは具体的にどんなところに感じましたか。

 愛情深いところです。まだまだ未熟な部分もありますし、環境のせいでこじらせてしまったところもあるのですが、それも含めて、結果として愛せる。完璧な人間なんていないと思うので。

ー撮影で特に印象に残ってるシーンは?

 一つ挙げるとしたら、 クランクアップの日の撮影はすごく大変でした。スケジュール的にかなり詰まっていたというのもあったのですが、僕自身、その日を迎えるのが怖くて考えないようにしていたくらい、大変なシーンでした。ネタバレになってしまうので、詳しいことが言えないので(苦笑)、ぜひ、ドラマで確認してください。

古川毅 (C)エンタメOVO

ー撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。

 ダークな空気感のある、重い作品ではありますが、撮影していないときはみんなで楽しく過ごしていました。臼田(あさ美)さんや剛力(彩芽)さんが現場の空気をふわっと包み込んでくださっていたので、それに甘えさせてもらっていました。もちろん、作品が作品なので緊張感もありましたが、皆さんとはすごくいいコミュニケーションを取りながら作れたと思います。

ー改めてこのドラマの見どころを教えてください。

ドラマ「夫婦の秘密」(C)BS-TBS

 理解しがたい瞬間がたくさんあると思いますし、カオスな状況になると思いますが、実は一つ一つが結びついていきます。人間のエグさや尊さという意味でヒューマンドラマではあると思うので、ぜひハラハラしながら楽しんでいただけたらと思います。

ー古川さんのことについても教えてください。古川さんのデビューのきっかけは?

 スカウトです。この世界に憧れを抱いていたというわけではないのですが、(スカウトされた当時は)中学3年生で高校の進学を控えていたこともあり、進路について悩んでいたというタイミングでもあったのでやってみようと。僕はワクワクする方向に吸い寄せられていくタイプなので、面白そうだな、チャレンジしてみようかなと軽い気持ちでした。

ー“本気スイッチ”が入ったのはいつ頃だったのですか?

 事務所に入って、EBiDANの研究生になって、ユニットを組んで…という感じで活動していたのですが、その時々で、全てに一生懸命、本気でやっていました。ただ、10代のうちはまだ部活の延長線上という感覚だったのかもしれません。それが「仕事」という感覚になったのは、2018、2019年くらいだったのかな。自分でもはっきり自覚をしているわけではないですし、それまでも本気でやっていたのですが。最初からすごく楽しくて、全てが新鮮だったので。

ー2015年にSUPER★DRAGONとしてデビューした後に、2018年には俳優としての活動もスタートしました。グループ活動、俳優業、それぞれにどんな思いがありますか。

 グループ活動は、自分1人の夢じゃなく、仲間やスタッフさん、そしてファンである「BLUE」と一緒に作ってきた歴史です。なので、僕にとってはファミリーでホームです。だからこそ、世界をもっと広げていき、やりたいこともしっかり表現していきたいという思いがあります。もちろん、個人で行っている役者業で得たものもグループに還元したいですし、それはグループのためでもあると思っています。

 役者業は、自分の知らないことが本当に多い世界で、分からないことだらけ。年齢関係なく、素晴らしい才能を持った方たちがたくさんいると感じています。さまざまな出会いによって、自分の表現にも深みが出たり、見たことのない景色や世界を見させてくれる場所でもあって、グループ活動では得られない経験ができる場でもあります。グループは自分というフィルターを通してお伝えしていくという感じですが、役者業は役を通して伝えていくので、そこが違いかなと思います。

ー古川さんの今後の夢や目標は?

 まずは、目の前のことにしっかり向き合っていきたいと思います。それから、誰かにとってのスターになれればいいなと思っています。グループとして、「アジアのポップスターになりたい」と言っていますが、個人でもそうなれたら、自分だけでなくみんながより良い環境になるのかなと。「自分に関わる人、自分を好きでいてくれる人たち、自分が大事だと思う人たちのことを幸せにする」というのが夢でもあるので、そういう人たちのスターになれればと思います。

ーところで、趣味が「漢飯作り」とプロフィールにありますが、料理が好きなのですか。

 一人暮らしなので、適当なものですが、余裕がある時には作っています。レパートリーがあまりないので、同じようなものばかりですが(笑)。この間は、家にあるものでパスタを作ろうと思ってキッチンを探したら、少し高価なゆず塩味の鶏肉の缶詰を見つけたんですよ。それで、これを使おうと。オリーブオイルで炒めて、鷹の爪を入れて、ペペロンチーノではないですが、ピリ辛のいい感じのパスタが作れました。他人に振る舞えるかは分かりませんが(笑)、自分ではそれなりにおいしく食べられたので、こういうのも悪くないなと。

ーでは、2023年はどんな1年でしたか? また、2024年に挑戦したいことを教えてください。

 2023年は、軸足を固められた1年だったように思います。コロナ禍からの3年間は、辛いこともたくさんありました。いろいろなことがぐらぐらしていた気がして、やっと安定したと思ったらそれが崩れて…と大変だったこともありましたが、2023年は、それがやっと定まって、自分たちのやるべきこともやりたいこともしっかりと見えた。グループとしても役者としても、こうありたいというものが改めて確認できた1年でした。2024年は、より多くの方に見ていただいて、聞いていただいて、多くの方の目に止まる1年になればと思います。月並みですが、飛躍の年になればと思っています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

古川毅 (C)エンタメOVO

 ドラマ「夫婦の秘密」は、BS-TBSで1月4日から毎週木曜夜11時~11時54分(木曜ドラマ23枠)で放送。放送の翌日正午からはTVerとNetflixでも配信。

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