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チャ・テヒョン&カン・イェウォン「『シックス・センス』を超えるオチに注目!」

4人全員をワイヤーでつるして本当におんぶしていました

映画『猟奇的な彼女』に主演したチャ・テヒョンの最新作、映画『ハロー!?ゴースト』が、6月9日から日本で公開される。本作は、韓国での公開から、わずか2カ月後にハリウッドリメークが決まった話題作。“人生の孤独”と“大切な人がそばにいる幸せ”という普遍的なテーマを笑いと涙で描く。
チャ・テヒョン演じるさえない男サンマンは、生きる希望をなくして何度も自殺を図るがいつも失敗。その上、一風変わった4人のゴーストにとりつかれてしまう。サンマンは、彼らを成仏させるために、彼らが生前にやり残した事を成就させようと奮闘するが、偶然出会った看護師のヨンス(カン・イェウォン)に一目ぼれする。果たして、ゴーストの成仏とサンマンの恋愛は成就するのか…。主演のチャ・テヒョンとカン・イェウォンに話を聞いた。

試写を見て大泣きしたカン・イェウォン

チャ・テヒョンとカン・イェウォン

Q.出演したきっかけ、脚本を読んで受けた印象は?

チャ・テヒョン:僕にとっては『過速スキャンダル』以来、2年ぶりの映画出演でしたが、『チャンプ(原題)』の話が先行していたので、この映画の撮影には途中から入りました。(脚本を読んだときには)コメディーなのにシナリオがよく練られていて、内容も深いと思いました。内容が薄くて俳優に依存するようなコメディーは、リアクションがオーバーになりがちです。でも今回はまったく違いました。

カン・イェウォン:撮影の2週間前にキム・ヨンタク監督とお会いしたときは、誰がヨンス役をやるのかまだ決まっていませんでした。監督には「これまで会った女優は本当に“女優”という感じだったが、イェウォンさんは人間らしい。そういう人が僕の映画に出てくれたら真実味が出ると思う」と言っていただきました。それに、チャ・テヒョンさんは、女優だったら誰もが一度は共演してみたいと思う俳優の一人です。私もずっと共演したいと思っていましたが、まさか実現するとは思ってもいませんでした。すごくうれしかったです。

Q.最後のオチが衝撃的だとか?

カン・イェウォン:とても衝撃的です。試写を見たときに大泣きしてしまいました。最後のオチは『シックス・センス』を超えるほどだったのではと思いました(笑)。先にシナリオを読んでいたからオチは分かっているのに、試写で泣くなんてあまりないことですから。本当にシナリオの完成度が高かったのです。一気に読んでしまったし、「出演したい! この監督と一緒に映画を撮りたい」と素直に思いましたから。私はいつも“観客の立場に立って、自分が見たいと思うような映画に出演する”と決めているんです。

Q.役どころについて教えてください。

チャ・テヒョン:僕が演じたサンマンは、自殺未遂を何度も繰り返して人生を投げ出している人物なので、4~5キログラムは減量しました。だけど、そんなの大したことはないんです。『バカ(原題)』の時は8キログラム増やしましたが、10キログラムも増やした人がいたために、僕のことはすっかり埋もれてしまいましたから(笑)。

カン・イェウォン:とても難しいキャラクターでした。複雑だったから最初は演技にも苦労しました。でも、実際に演じてみたらとても満足できたし、何かを成し遂げたという思いがしました。やはり、監督の演出力が大きかったと思います。初監督作だとは思えないぐらいに素晴らしかったと思います。キム監督とはくだらない話で盛り上がりました。撮影の翌日や撮影のない日には、ヘビースモーカー役のコ・チャンソクさんと監督と一緒にチキンを食べながらビールを飲んで、おしゃべりばかりしていました(笑)。

Q.前作の『過速スキャンダル』では観客動員も800万人以上を記録しましたが、共演のパク・ポヨンとワン・ソクヒョンに花を持たせましたね。

チャ・テヒョン:当然ですよ! あの映画の唯一の目標は、ポヨンに新人賞を取らせるということでしたから。舞台あいさつも最初は僕がいないとダメだったんですが、その後のイベントや舞台あいさつでは「どうしてポヨンがいないの? ワン・ソクヒョンはどこ?」という意見が多くて、大変でした(笑)。

Q.撮影中にテンションや感情をコントロールするために実生活でもそういう雰囲気作りをしますか?

カン・イェウォン:それはないです。私生活にそういう感情を持ち込むとエネルギーを奪われてしまうので、普段は何も考えずに撮影の時だけ集中して役に入り込むように心掛けています。「アクション」という合図があった瞬間に、自分から最大限の力を引き出さなければなりません。特にヨンスのようなキャラクターは、気分の良し悪しがはっきりしないから。その間ずっと感情を維持しなければならなかったのでなおさらでした。

ゴーストはCGではなくワイヤー!

4人全員をワイヤーでつるして本当におんぶしていました

Q.劇中、サンマンとヨンスのロマンスはあいまいな感じに描かれていました。ロマンスの始まりはどこだと思いますか?

カン・イェウォン:ヨンスはサンマンが自分に似ていると感じたんでしょう。サンマンもヨンスと同じように孤独なんです。見た目は好感が持てるし、しかも自分に興味を持っているようだし、気付いたら彼がいつも見守ってくれていて、自分の知り合いとの関係性も深めている。会うたびに情が移っていくところからスタートしたと思います。同じような境遇という共通点が一番のきっかけだったと思います。

Q.チャ・テヒョンさんは一人五役に挑戦し、カン・イェウォンさんは、目の前に誰かがいても見えないふりをして演じたわけですが、難しかったですか?

チャ・テヒョン:これまでもよく「チャ・テヒョンのワンマンショーだ」と言われましたが、今回はそんなレベルじゃなかったです。一人で担う役割があまりにも大きかった。ゴーストの登場シーンが多いと思っていたのに僕のシーンの方が多かったんです。シナリオを読んだときは、「CGで処理するだろう」と想像していたのに、とんでもない話でした。予想とはまったく違いました。何の特殊効果もなくて、ゴーストたちが自分にのり移って出て行くというシーンを、全部僕一人で表現しなければなりませんでした。もちろん、効果音ぐらいは付けてくれましたが…(笑)。

カン・イェウォン:不思議なことですが、見えないふりをして演じるというのは、意外に意識せずうまくできました。監督からも「本当に何も見えないように演じて」と言われましたし、NGもなかったです。ただ、チャ・テヒョンさんだけを見て演じました。

Q.CGを使っているように見えましたが。

チャ・テヒョン:キム監督は、これまでのゴースト映画とは差別化するために、生きている人間と何ら変わりのないゴーストの姿を望んでいました。僕が4人のゴーストをおんぶして歩くシーンは、4人全員をワイヤーでつるして本当におんぶしていました。ワイヤーの線を消すところはCGで処理していますが、僕よりもおんぶされている方が苦労したと思います。特に体重の重いコ・チャンソクさんは大変だったと思います。

やろうと思えばできないことはない。チャンスがあればチャレンジしたい

カン・イェウォン

Q.4人のゴーストたちから次々にとりつかれるというシーンはどのように演じましたか?

チャ・テヒョン:ゴースト役の俳優の前で、その人のまねをするのは、本当に恥ずかしかったです。真横にいる人のまねをするのは容易なことではありません。幸いにもチャンソクさんとイ・ムンス先輩、チャン・ヨンナムさん、チョン・ボグンさん、それぞれにとても特徴があったので助かりました。

Q.ほかのキャラクターはまさに宙に浮いている感じでしたが、ヨンスが劇中のバランスを取っているように見えました。

カン・イェウォン:ヨンスだけが地に足が着いているキャラクターなんです。でも、映画全体のことを考えるとあまり重過ぎてもダメですし、逆に軽過ぎてもダメ。監督がそれらを総合して演出してくださいました。

Q.チャ・テヒョンさんは次回作で騎手役に挑戦されるそうですね。カン・イェウォンさんはドラマの予定は?

チャ・テヒョン:映画『チャンプ』で初めて動物と共演します。試しに何度か乗馬をしてみましたが、怖いばかりで全く上達せず本当に悩みました。ある日マネジャーに「出演をキャンセルできないか」とこっそり聞いてみました。でも、すでに契約書には捺印したと言われて…。仕方がないので、死ぬ気で乗ってみたら普通に乗れるようになりました。「やろうと思えばできないことはない」ということを、身を持って体験しました。

カン・イェウォン:チャンスがなかったわけではないのですが、積極的に“やりたい”と思えるような作品に出合えませんでした。何よりも重要なことは作品選びだと思っていますし、たとえお金がなくてつらい状況にあったとしても、どんな作品でもいいからというわけにはいきませんから。特にテレビドラマを避けているわけではないのですが、確かに映画が大好きだし、魅力を感じています。“共同作業を通じての情”がわくとでも言うのでしょうか。テレビドラマはどうしてもスケジュールに追われて、大慌てで撮影していくので、そういう情が生まれるのは難しいみたいです。でも、いい作品と出合えることができたら、ぜひチャレンジしてみたいです。

チャ・テヒョン

●『ハロー!?ゴースト』
6月9日(土)から新宿武蔵野館ほか、全国順次公開
監督&脚本キム・ヨンタク 出演チャ・テヒョン、コ・チャンソク、チャン・ヨンナム、イ・ムンス、チョン・ボグン、カン・イェウォン
2010年/韓国映画/111分/提供・配給:ツイン/配給協力:太秦/協力:パラマウント ジャパン
公式HP:www.hello-ghost.com
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