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日向亘「最後の最後にとっておきの作品」小松準弥「身が引き締まる思い」「仮面ライダーリバイス」のその後の物語でダブル主演『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』【インタビュー】

 人気特撮テレビドラマ「仮面ライダーリバイス」のその後を描いた『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』が2月10日から全国上映となる。本作では「リバイス」本編で活躍した仮面ライダーライブ、仮面ライダーエビル、仮面ライダーデモンズが、新たな組織「アリコーン」の陰謀に立ち向かう。ダブル主演を務める日向亘と小松準弥が、撮影の舞台裏や見どころ、「リバイス」という作品に対する思いを語ってくれた。

小松準弥(左)と日向亘 (C)エンタメOVO

-本作は「仮面ライダーリバイス」でお二人が演じてきた五十嵐大二と門田ヒロミが主人公ですが、ダブル主演と聞いたときはどんな気持ちでしたか。

日向 うれしかったですね。

小松 僕もうれしかったです。でも日向さん、本当にいいんですか? 隣にいるのが僕で(笑)。

日向 やめてくださいよ(笑)。僕ら、口癖のようにずっと「もっと一緒にやりたいね」と言っていたんです。そうしたら、最後の最後に、とっておきの作品が待っていて。準さんともいっぱい絡めるし、ヒロミと大二のクライマックスとしてもきれいにまとまるんじゃないかなと、すごく楽しみでした。

小松 「リバイス」本編の最初のプロットの段階で、「五十嵐大二と門田ヒロミは、いずれ疑似兄弟のような関係になっていく」と書かれていたんです。実際に本編でどんどん近くなっていった2人の関係性をここで表現できると思ったので、今回のダブル主演はうれしかったです。しかも、ヒロミはもともと、第1話で死ぬ予定だったんですよね。それが、(「リバイス」の)二番手の仮面ライダーである五十嵐大二と一緒に真ん中を張らせてもらえるということで、身が引き締まる思いでした。

日向 いやいや、こちらこそですよ。

小松 だから、一緒に頑張りたいな、という思いはありました。撮影は本当に大変だったんですけど、「日向も頑張っているんだ、俺も頑張ろう」みたいな感じで、お互いに励まし合って乗り越えて。

日向 「俺たちマジで頑張っているよね」とか言い合いながら(笑)。でないと、メンタルが持たないぐらい大変だった。

-その努力のかいあって、アクションを得意とする坂本浩一監督らしく、全編がアクションで展開する見応えたっぷりの作品に仕上がっていますね。

日向 普通にお芝居をするシーンの方が少ないくらいで。僕は最初、坂本監督だと聞いて、台本を見るのをやめようかと思ったんです。アクションが盛りだくさんで大変な撮影になることが予想できたので、「大二、ビルの40階から飛び降りる、みたいなどぎついシーンがあったらどうしよう?」と怖くて(笑)。意を決して開いてみたら、本当に大変なシーンばかりで。

-特に苦労したシーンは?

日向 撮影は真夏だったんですけど、護送車が襲撃されるシーンなんて、体感40度以上ありそうな猛暑の中、熱した鉄板みたいなアスファルトの上に倒れ込む芝居もあって。僕、「人生で一番」みたいなこと普段は言わないんですけど、あのシーンは本当に人生で一番しんどかった。今ちょっと思い出しただけでも、変な汗が出てきそう(笑)。

小松 アクション自体は、僕はすごく楽しかったです。台本に「(二役を演じる)ムラマサが刀を使う」と書いてあったのもうれしかったですし。僕は殺陣が特技なんですけど、ヒロミは銃や弓を使うことはあっても、刀はなかったんです。だから、ずっと「刀を使いたい!」と思っていたら、今回それがかなって。

-今回、小松さんはヒロミと、ヒロミと同じ顔を持つ“ムラマサ”の二役を演じていて、両者のバトルもあります。

小松 ヒロミとムラマサが戦うシーンは、ヒロミの攻撃と守りの殺陣、それに対するムラマサの攻撃と守りの殺陣、その両方を覚えなきゃいけないのが大変でした。でも、初めての挑戦でもあったので、楽しくやらせていただきました。

日向 自分と自分が戦うって、わけ分からなくないですか。僕は本編で(大二が変身する仮面ライダー)ライブと(二役を演じるカゲロウが変身する仮面ライダー)エビルが戦うシーンがあったとき、アフレコで声を差別化するのに、すごく苦労した覚えがあるんです。それなのに、準さんは今回、初めての二役で動きも全部一人でやっているから、本当にすごいなと思って。もっと自分を褒めてくださいよ。

小松 頑張りました(笑)。ただ、僕も本編のとき、二役をやっている日向に憧れがあったんだよね。演じ分けも素晴らしくて、完全に別物に見えるので、うらやましいな、楽しいだろうなと思って。今回二役をやらせてもらえることになったとき、真っ先に頭に浮かんだのは日向だったし。

日向 でも今回、初めて現場で見たときから、僕が台本を読んで想像していたムラマサを突きつけられたので、「すごい!」と思って。僕がカゲロウのキャラクターを作っていったときは、すごく難しくて、時間もかかったので、最初からムラマサが完成されていたのは、本当に驚きました。

小松 そう言ってくれると、うれしいな。

-今回は、変身シーンも今までと少し違いますね。

小松 僕は本編では44話が最後の変身だったので、久しぶりでした。今回は仮面ライダーインペリアルデモンズに変身ということで、“インペリアルらしく”皇帝感や威厳みたいなものをちゃんと出したいと思っていました。だから、変身ポーズの基本は変わりませんが、ちょっとだけエッセンスを加えているので、ぜひそこに注目してください。

日向 今回ついに、皆さんが気になっていた「大二がリバイスドライバーで変身したらどうなる?」が実現したので、そこは見どころです。まさか、ピンクのライブ(仮面ライダーライブマーベラス)とピンクのエビル(仮面ライダーエビルマーベラス)になるとは、僕も思っていませんでしたけど(笑)。(本編の主人公である兄の五十嵐)一輝(前田拳太郎)から譲られたリバイスドライバーで変身ということで、“兄弟の絆”を感じさせる部分があっても面白いのかなと思って、変身ポーズは坂本監督と相談しながら決めていきました。

-本作はお二人にとって「リバイス」の集大成となりますが、今振り返ってみて「仮面ライダーリバイス」という作品はご自身の中でどんな位置づけになりますか。

小松 「宝物」、「財産」の一言に集約される感じです。

日向 まさにその通りで、僕の青春です。お金じゃ買えない大切なもので、皆さんとの出会いから信頼関係を築いていった時間も含め、全てが僕の宝物になりました。1年かけて壮大なお宝探しをしていた感じです。お芝居も鍛えられましたし、これから俳優として頑張っていく覚悟が芽生えた1年でもありました。

小松 男の子なら誰でも一度は願う「仮面ライダーになりたい」という思いを抱き続けたまま、僕はこの業界に入り、27歳のときに、最後の挑戦と思って受けたオーディションで、仮面ライダーをやらせてもらえることになりました。それはもちろん大きな宝物になったんですけど、やっていく中で、こんなふうに仕事でもプライベートでも信頼できる弟みたいな存在ができましたし、他のキャストやスタッフの皆さんとも、これからもきょうだいや家族のように付き合っていける気がしています。「共に人生を歩んでいく」といったらちょっと大げさかもしれませんけど、いつでも帰ってこられるホームができた感じです。

-お二人と、他のキャストやスタッフの皆さんが信頼し合っている様子がうかがえます。本作も、大二とヒロミをはじめ、さまざまな人たちの「信頼」を描いた物語なので、集大成にふさわしい作品になりましたね。

日向 そうですね。キャストやスタッフの皆さんとの出会いも、僕をすごく成長させてくれましたし、これからの人生を彩ってくれるすてきな人たちにも出会えたと思っています。

小松 すてきな締めくくりを迎えることができました。そういう出会いや経験をさせてもらえたという意味でも、「仮面ライダーリバイス」という作品は、いろんなものをくれた財産であり、宝物であり、大切な場所です。

(取材・文・写真/井上健一)

(C) 2023 石森プロ・ ADK EM ・バンダイ・東映ビデオ・東映 (C) 2021 石森プロ・テレビ朝日・ ADK EM ・東映

 

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