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伊野尾慧「この先、自分が死ぬのか死なないのか、僕も皆さんと同じ目線で楽しんでいます」 ドラマ「ダ・カーポしませんか?」【インタビュー】

 秋元康が企画・原作・脚本を手掛けるドラマ「ダ・カーポしませんか?」が、テレビ東京系で毎週月曜午後11時6分から放送中だ。本作は、事業の失敗、ギャンブル、慰謝料…借金を背負った8人の男女が、一発逆転のチャンスのために、金と命を懸けたデスゲームに挑むストーリー。本作で、借金を苦に会社で命を断とうとしていたが、ひょんなことから命と金を懸けた“運命ゲーム”に参加することになるサラリーマン・真澄太一を演じている伊野尾慧がインタビューに応じ、ドラマの見どころなどを語った。

(C)「ダ・カーポしませんか?」製作委員会

-「デスゲーム」をテーマにした秋元康氏企画のドラマですが、話を受けたときはどんな気持ちでしたか。

 デスゲームができるというのは、うれしいなと思いました。なかなかプライベートで「よし、デスゲームをやろうぜ!」と言ってやれるものではないですし、ドラマだったり、こういう世界の中じゃないとできない遊びなので、それをやれるというのは非常にいい経験だなと思いました。

-秋元さんの脚本を読んだ感想を教えてください。

 秋元さんはドラマの脚本だけではなくて、作詞だったり、バラエティーの演出もやられているので、ドラマでも引きが強くて、すごくキャッチ―だなと思いますし、見ている人を引き込ませるフックの部分が強いのかなという印象があります。今はまだ脚本が先の話までできていないので、この先、自分が死ぬのか、死なないのかというところも気になりますし、デスゲームで何をやるんだろうとか、僕も視聴者の皆さんとほぼ変わらない時間差で、いろんなことを知っていくので同じ目線で楽しんでいます。

-真澄太一というキャラクターについて、どのように役作りをして演じていますか。

 今までのドラマでは、役柄に原作があったり、物語の結末が分かっていたりしたのでキャラクター作りがしやすかったのですが、今回は僕らも先のストーリーを知らなくて、先々どうなっていくのか、はたまた本当にそういう人なのか、というところまで分からない部分があるので、役作りという点では非常に難しいなと思うのと同時に、逆にかなり自由なので、捉われ過ぎず、自由にやらせていただいています。生死に関わったり、お金のことが関わったりするので感情の振れ幅があったり、激しい言葉が多いので、普段なることのない感情の部分まで出せたらいいなと思っています。

-普段見られない伊野尾さんの表情が見られるドラマになっているのですね。

 そうですね。僕もそうですし、共演者の皆さんもそうだと思います。

-撮影現場の雰囲気はいかがですか。

 世代もバラバラですが、和気あいあいと楽しく話をしています。武田鉄矢さんが『七人の侍』の話をしてくださって、みんなで聞いたり、観月ありささんたちと今後の展開について話したりしています。今後、誰がどういう死に方をするのかとか、最後2人になったらどうするんだろうとか、そういう予想合戦をしています。

-命と金を懸けた「運命ゲーム」ということで、運が重要になってくる役どころですが、伊野尾さん自身は運がいい方だと思いますか。

 運がいいと思っていたいです。Hey! Say! JUMPに入れたことも運みたいなところがありますし、15年、16年と活動できているので、やっぱり運がいいなと思います。

-運気をアップしたり、験を担ぐためにやっていることはありますか。

 僕は基本的には、そういうものを一切信じないタイプなのですが、最近は、逆に信じて取り入れてみようと思って、占いやおはらいとかを信じるようにしています。

-撮影中に大変だったことや、面白かったエピソードを教えてください。

 お金が舞い込んできたり、人が亡くなったりするので、感情がわーっとなるシーンが多いのですが、そのときに笑っている人もいれば、泣いている人もいたり、発狂したり、大きな声を出したりと、その辺のみんなの押し引きが面白いなと思います。キャラクターによっても喜び方が違ったりするので、狂喜乱舞している感じが見ていて楽しいんじゃないかなと思います。

-くじ引きで大当たりを引いた経験はありますか。

 小学校低学年の頃に、スーパーの福引きで、スケートの券と食事券が当たったのを覚えています。たいていティッシュしか当たらないのですが、そのときは大当たりで、家族でスケートを滑りに行った思い出があります。

-劇中では、登場人物たちが人生一発逆転を懸けて、さまざまな悲しみや苦しみを乗り越えていきますが、伊野尾さん自身は、これまでの活動の中で悲しみや苦しみを、どのように乗り越えてきましたか。

 悲しかったり、苦しかったことは、基本的に忘れるようにしているので、あまり覚えていないのですが、大変だったなと思うのは大学生の頃です。満員電車に乗って学校に行って提出物を出したり、4年間で卒業しなくちゃと思ってやっていたので、今考えると結構ハードでした。今はドラマの撮影時期に入るとスケジュールがタイトだったりするのですが、よくよく振り返ると、そのハードな時間があったからこそ鍛えられたのかなと思います。

-それらを乗り越えるために、どんなことがモチベーションになったのでしょうか。

 当時は卒業することが当たり前だと思っていたので、あまりモチベーションというものはなかったのですが、今考えると10代の頃や若い頃に頑張っていたことって、そのときは芽が出なくても、5年後、10年後に芽が出ることが非常に多いと思うので、30代後半、40代、50代になっても楽しくハッピーに人生を生きたいので、今やれることを頑張ろうという気持ちで当時も頑張れたのかなと思います。

(取材・文/小宮山あきの)

 

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